Hiroshi Yoshida
2016-01-25
喉声だね、と言われてなんのことだかわからない、という人も。もし歌っていて声がかすれやすい、高い声がキンキンなってしまってあまり好みじゃない、ということであれば喉声気味になっている可能性がありますね。
いわゆる喉声、というのが敬遠される理由が主に二つ。
⒈喉声だと、首の周りの筋肉に力が入りすぎていて長い時間歌い続けられない。
⒉声がキンキンとなりすぎる。
⒈の歌い続けられないというのはやっぱり問題だと思いますが、⒉のキンキンした声というのはある意味好みとかジャンルにもよると思うので、そういう声でやり続けるのもありだ僕はと思います。
JPOPのロックシンガーだと、尖ったような声で突き抜けるように高音域を歌う人もいますよね。
ただやっぱりそういう出し方は、無理がきて長時間たつと出なくなることが多いということは意識していてください。そういう場合はやっぱりボイストレーニングで調整していく必要があると思います。
R&Bやブラックミュージック系、クラシックや合唱系でも喉声は敬遠されがちですね。僕が自分なりに勉強した結果ですが、この辺は洋楽ルーツで、英語の発音の仕方からくる発声方法を良しとされるものについては特に喉声が敬遠される傾向があると思います。
日本語は喉で一音一音区切りながら発声するので、喉声になりやすいという説もあるようです。それならばなおさら、日本語を伝えるという意味で喉声は自然な発声なのでは??
さらに面白いテレビ番組を先日みたのですが、NHKで亀田音楽専門学校にGLAYさんがでていた時、TERUさんは地声とミックスボイスとファルセットを使い分けていました。
しかし、TERUさんが地声っぽく苦しそうに高音域を出している時に、亀田さんは、“やっぱり地声で力強くだすのがいいですねー”とおっしゃいました。
ここに、JPOPのプロデューサー的感覚というか、純粋な聞き手の感覚が集約されていると思うのです。
ボイストレーニング的に言うと、”そこはミックスボイスで出さないときついよ、発声的には、その音域を地声で引っ張ると喉も上がるし、喉声になるしよくないよ”
とされることの方が多いですが、受け手の感覚からすると、喉声で苦しそうに一生懸命歌っている姿が、逆に何かを必死で伝えようとしている、叫びのような感情に見えてグッとくる。ということです。
あとはやっぱり、地声っぽい方が言葉に重みが出ますね。日本人は特に歌詞を大切に聞いている人が多いので、そのあたりも重要なんです。
もちろん、TERUさんでもずっとあの音域であの声で歌い続けるのは無理でしょうから、そこは使い分けですね。
しかし、あまりに喉声がきつすぎて問題がある場合は調節していきましょう。ミックスボイスの習得で、地声と裏声の丁度いいバランスで混ざるところを探していきましょうね。これらの記事も参考に。
喉が上がって苦しい…多くの人が悩むハイラリンクスを治す方法。
輪状甲状筋、後輪状披裂筋。ミックスボイスのために開発したいこれらの筋肉。
というわけで、僕としては一般的なボイストレーニング理論、洋楽的な基準を押し付けることはしません。しかし、無理がくるような発声は禁物。だからそのあたりのバランスを考慮しながら、あなたの声やスタイルのいいところを伸ばすようにトレーニングしていきますよ。
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