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喉が上がって苦しい…多くの人が悩むハイラリンクスを治す方法。

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Hiroshi Yoshida

2015-10-08

高い声を出すときに喉が上がってしまって苦しい。 喉に力が入ってしまって最後まで歌いきれない。 最後の最後のラスサビ転調が苦しくて歌えない… カラオケでもそんな悩みを抱えている人は多いのではないでしょうか?

まず注意。ハイラリンクスとは喉頭の位置が高いことを表す言葉で、それそのものが悪いわけではありません。

じゃあ何が問題なのか?下で説明する、地声で出せる限界以上の音域まで、地声をひっぱりあげて無理やり出そうとして喉が上がっていく状態(その状態をハイラリンクス、という風に言う人もいるので混乱しますが)が問題だということです。

高い声が出ない原因のほとんどは、この地声をひっぱりあげて高音を出そうとしている状態が原因ではないかと思います。 裏声なら難なく出せるけど、地声で高いパートを張って力強く歌いたい時にそこで声がひっくり返ったり、音程が届かなかったりするあなた。

まず、地声の出し方で出せる音域というのは決まってるということを認識しましょう。 それ以上の音域は違う出し方でないと、楽に出すことは難しいです。

男性ならミ(mid2E)くらいから

女性ならシ(hiB)くらいから

そこで、裏声に切り替えるか、裏声に地声を混ぜたミックスボイスに切り替えるか、どちらかでないと声帯の周りの筋肉を固めて無理に出すことになります。

それでもそれなりに出たりするから厄介なのですが、おそらくそのままの状態で長く歌い続けるのは難しいでしょう。

独学者が意外と見落とす基本中の基本である、姿勢の大切さ。

日本人はただでさえ猫背になりがちで、だからこそ呼吸も浅くなりがちです。自然に立っているつもりでも猫背の人もいます。特に多いのは、ギター弾き語り等で首を前に出すような姿勢になってしまっているパターン。

これは首に力が入るので、特に喉周りの筋肉を使う意識が強くなってハイラリンクスになり易いです。何となく想像つきますよね?

筋肉質な白人さん黒人さんの姿勢をイメージしてみてください。必ず胸を張り気味になっていませんか?胸を張るというのは極端にやる必要はありませんが、ちょっと意識するだけで、とても呼吸がしやすくなります。それだけで、声にだいぶゆとりができますよ。

やっぱり歌は全身運動です。喉周りの使い方ばかり意識してた人が、姿勢や呼吸の意識でブレイクスルーできる可能性は十分にありますので、確認してみてくださいね。これらの記事に詳しく書いています。

口の開き、喉の開きという基本事項。

歌う時に口を開きなさい!というのは音楽の授業でも言われるようなことですが、ボイトレ的に言うとそれは絶対ではありません。

逆に、口をパクパク開きすぎると言葉が散ってしまって説得力にかけたりします。でも、どんなボイトレでも言われる”喉を開く”ことは大切。

共鳴を生み出すために喉をひらけ、という言い方をする先生もいますが、僕の考えでは喉の奥をあくびのように開くことによって、裏声系の筋肉が働きやすくなるし、引き下げ系の筋肉も働いてハイラリンクスの状態が緩和されやすくなります。

イメージとしては、高音になるにつれてあくびが大きくなると、自然に裏声系の筋肉が働きやすくなって、リラックスした状態で高音に以降できるような感じ。そのイメージで出せるようになったら、高音域で裏声が強くなって息が抜け、弱々しくなってしまうところを閉鎖させられるようになるための練習をしていきます。

首回りのリラックスで改善できる可能性も。

力み癖がついてしまっているのを改善するのはとても根気のいる作業なのですが、一旦いままでのその高音域の出し方を封印して脱力した状態でリップロールのスケール練習などから感覚をつかんでいきましょう。

最初は高音域が裏声のような出し方しかできず、どうも力強く出せなくてもどかしいと思うかもしれませんが、やっていくうちにちょうどいいバランスで地声でも裏声でもなく、気持ちいい声が出せるポイントが見つかってきますよ。

僕はたとえばこの記事の動画にあるようなスケールの練習などをひたすらやったりしてちょっとずつ感覚を身につけて、いままで歌っていた歌の歌い方をちょっとずつ修正して練習していきました。

それまでに歌ってきた歌い方というのは、すでに喉が上がる癖がついた状態を練習してきてしまっているので正直、治すのは結構大変です。

しかし根気よく練習していけば、全体の歌い方も変えていけるし、プロのシンガーでも一度喉を壊して、歌い方を修正して楽に歌えるようにしている人はたくさんいますよ。

若い頃は高い声は才能だ、自分にはF#以上の地声は無理だと思い込んで、それ以上はファルセットで歌っていました。それもスタイルとして全然ありだと思います。

これらの記事も参考に。

おかげでファルセットが強くなったという良い面はあったのですが、やはり僕の場合は仕事の面でどうしても音域は広いにこしたことはなく、コーラスの現場でも状況によって高い音域のミックスボイスが必須な場面があったので、必要に迫られて必死で練習しました。

高い声は出ないと諦めてしまっている人たちにもこの方法をもっと伝えていきたい!!

もっといろいろな歌を歌える可能性が増えると思うし、作曲する上でも音域は広い方が可能性が広がります。

ミックスボイスを習得するための出し方のイメージは?

これは感覚でしかないので、表現が難しいのですが、裏声を強くしてお腹から地声を出す!みたいな感じですかね。こちらも参考に。

さらに、もっともっと精度の高いミックスボイスをものにしていく上で、喚声点の切り替えをより自由自在にできるようにしたいと思って、こういう練習もしてきました。参考に読んでみてくださいね。

LIVEARTISTのレッスンではより具体的に、あなたのスタイルを作っていく提案をしつつ、ボイストレーニングも並行していきます。どんな質問でもお気軽に!!