レッスンでは基礎を理論的に説明したりするけど。

ボイストレーニングはあくまでサッカー選手にとっての筋トレみたいなもので、基礎トレーニングとして大切ではあるけど、ボールを蹴る時に筋肉を意識している人はあまりいないはず。

目の前に置かれた状況で、狙ったところに正確に蹴れるためには、筋肉の使い方ももちろん大切ですが、それはもう練習の中で消化しきった上で、本番では何も意識しなくてもできるところまでやっていないとダメ。

ボイストレーニングもそんなもので、意識しながら歌っているレベルでは到底いい歌なんて歌えなくて、むしろそんなことは考えない方が心に響く歌は歌える、と僕は経験的に思います。

レッスンである以上、いろいろとアドバイスしたりしながら歌うので、そういう意識が大きくなってしまうのはしょうがない部分ですが、本番になった時にどれだけ無意識にやってきたことが発揮できるか?ということが真の実力なので、そこまで詰めて練習してこないと成長はないですよね。

正解をもとめすぎて、自分の心、体の感じ方を頼りにできないのは本末転倒。

レッスンに来ていただける方は、どうしていいかわからない部分があるからこそ来ていただいているので、なおさら自分の感覚を信じられないタイプの人も多い気がしていて、そう言う人に、その歌の感情になりきって、そのシンガーになりきって、歌ってみてというと、それができた時には素晴らしい表現を見せる場合があります。

そんな時、僕はレッスンの中でも鳥肌が立つような感動を覚えたりして、そういう時は手放しに褒めるのですが。レッスンをしていて、そういう瞬間が一番嬉しい時でもあります。

何かのサウンド、例えば憧れの誰かみたいな歌い方、キャラクターを作った声、そんな歌い方を意識しているうちは、不思議とそんなに心に響かないんですが、心のそこから何かが出た瞬間はやっぱり周りに伝わる。そのp感覚をいつも感じていないと、永遠に正解がわからない。

僕は発声を勉強する前から、自分が歌っていて感動できる感覚はあったので、それだけを信じてしばらくやってきました。結果としてプロの裏方仕事をする上ではそれでは問題があったから、いろいろ勉強して習得する必要はあったのだけど

今でも自分が歌っていて正解と思う瞬間は、自分で心が震えた瞬間しかないと思っているし(でもプロとしては、ちょっとミスったなというところはやっぱり異常に気にしてしまうけどねw)それをつかまずして、発声練習だけしていても永遠に感動できる歌にはならない気もしています。

最近レッスンの中で、生徒さんが何かを開花させた瞬間をいくつか見れたのが嬉しくて、改めてそんなことを再確認しました。