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いろんな人に歌を習ってみたけれど・・しっくりこない理由。

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Hiroshi Yoshida

2016-11-22

歌の教室をやっていると、いろいろな人が体験レッスンにお越しくださいます。うちは結構マニアックな内容のブログも載せているし、プロ志向の人を勇気づけたりする内容も多いせいか、ありがたいことに、これまでに他でも習ったりしてきた人が多いです。そんな人が、しっくりくる先生を見つけるヒントを。

そもそも正解はない。だから正解を押し付けるような指導はだいたい何か無理があって当然。

歌に正解はない、というと何か指導する側の責任逃れのように聞こえるかもしれませんが、実際そんなものあるはずないんです。

よくある、こういうスタイル、こういう歌い方が正しい発声だ!というタイプの指導は、そのジャンルで偉大とされる歌手のスタイルを真似しようとしているものがほとんど。

真似することは歌を上達させていくために絶対に必要なプロセスだと僕は思いますが、それを絶対的な価値基準にしているのは間違い。あくまで、何がいい歌か、ということを決めるのはあなたと、たくさんのリスナー。そして何度も言いますが、あなたがあなたらしく出せるいい声は、あなたの体が教えてくれると僕は思っています。

歌い方を真似することはあくまで、あなたが理想の歌い方を見つけるための一つの通過点であって、究極的にはあなたが、一番心地よい歌、一番リスナーに届く歌を見つけていくことが目的だということを忘れないでください。

悲しいかな、スクールもビジネスですから・・

すべての先生がそうだとはもちろん言いませんが、スクールというのは多くが続けてもらってなんぼ。だからとにかく継続させるということを目的として指導する先生も中にはいらっしゃいます。

人間というのは弱いもので、継続しようとがんばってもどこかで逃げてしまいがち。だから、ある程度強制力をもってスクールに通うということが、継続して上達するためのプラスの効果もある、ということは間違いないと僕も思いますが、あまりに生徒を囲い込みすぎるために、外の世界を知らずに、先生の言うことが絶対!というように信じ込まされているような人もいらっしゃいます。

それでもその先生についていきたい!と思うなら、それでいいと思います。でも、もっと他の世界も見てみたいな、と思うならいろいろな先生に習ったりしてみるのもいいかもしれませんね。

僕は歌手=アーティストであるなら、まず自分がどう感じるのか、どう思うのか、ということが大切と思っているので、それを尊重した上で、客観的にそれがどう見えているか、ということを意見していくように気をつけています。

先生も人間ですから。経験、価値観、学び続ける姿勢がやっぱり出てしまうもの。

先生自身が、もっと上を目指してチャレンジし続けている人なのか、何を理想として指導しているのか、正解もなく、どこまでいっても極まることのない音楽というものに対して、いくつになっても追求し続ける姿勢があるのか。

そんな姿勢というのはやっぱり伝わってしまうもの。なんでもそうですが、大人になっても変わらない情熱をもって何かに取り組んでいる人の姿というのは心を打つものがありますし、自然に尊敬の念も湧いてきますよね。

最終的に先生と生徒という関係より、音楽以外のこともなんでも相談できる相手になってしまうような先生と生徒の関係もあります。それも素晴らしいと思いますし、趣味として音楽を続けたいという人にはそういう人の存在がいるだけで人生の豊かさが変わってくるでしょう。

ただ何か、今習っている先生に、自分にとってプラスの要素を感じられないとしたら、ぜひ一度いろいろな外の世界を見てみるのもいいかもしれませんね。