title image

アイドル的?な声と、実力派シンガーの声の違いは?

image

Hiroshi Yoshida

2018-12-14

良いか悪いかは別にして、いわゆるアイドル的な地声と、Misiaさんや絢香さんのような太さのある声とは何が違うのでしょうか???

ボイトレの超基本、”喉を開く”の効果。

どんなボイトレの手法でも昔からよく言われることですが、 喉を開くということができているかできていないかで、声の傾向が大きく変わります。

最初に断っておきますが、僕はいわゆる喉が開いていないような、西洋的価値観からすると細い声、とされるような、ハイラリンクス傾向の”喉声”も悪いとは思いません。

十分に歌う訓練をしていないような日本人のシンガーは(これも一概にいえることではありませんが)は、どちらかというと地声が強く、引き上げ筋ばかり使ってしまう。そうすると、喉のスペースが狭くなって、響が細く、硬くなる傾向にあります。

まあ、その、”細い、硬い”という価値観すら、西洋的なものかもしれないなと思いますが、それで何が問題かというと 現代的なポップスはほぼ洋楽の影響を受けているので、音域的にもその発声のままでは無理になりがちなんです。

だから、ボイトレというとだいたいMisiaさんやら絢香さんやらがお手本になって、まず喉を開く系の、裏声系の筋肉もバランスよく使った、太めの声を目指しましょうみたいなことになるんですね。喉を開くと裏声系の筋肉が作動しやすくなって、音域の移動もしやすくなる。あくびのイメージですね。

そもそも日本語がそういう言語だから

しかし、アイドル的な歌い方を良いと思う人がいることも事実。それはおそらく、 地声傾向が強い方が日本語としてははっきりと聞こえてくるから。

日本人はとても歌詞を大切に聞きますから、言葉が聞こえないと共感が薄れて曲に入り込めない人も多いんですよね。欧米のように踊る文化もないので、ノリがよければいいというものでもない。

そしてそういう発声の方が普段話している感じに近いので、より共感を産みやすい。

そんな文化的背景があるので、日本における歌い方の捉え方は結構難しいと思っています。

腹から声だせ!の効果。

あとは定番の腹から声が出てるか??というやつですね。これは体の支え、呼吸の安定感、歌全体の安定感につながりますので、これができていると表現としても大きくダイナミックになってより実力あるシンガーと言われます。

僕はこれらを、腹圧を使った声帯の閉鎖を利用して声を出していると捉えてますが、これができるとかなり歌に余裕もできて、全てが安定してきますね。体幹の筋肉が強い欧米人は、こういう支えが得意なのかな?とか思ったりもしますし、言語によっては喉を開く発音があったりしますので、自然に発声を習得しやすい場合もあるでしょう。

歌いやすさ、安定感はやっぱり大事。

価値観は様々でいいし、持って生まれた声の良いポイントというのも千差万別だと思いますが、歌っていく上で *無理がなく、歌いやすいか?安定しているか?ということはとても大切。ボイトレはそのためにあると言っても過言ではないと思います。

喉声傾向だとどうしても高音域が難しかったり、そのためにピッチが揺らぎやすかったり。逆に裏声傾向だと低音域で言葉が全く聞こえなくなったり、揺れやすかったり。

どちらも一長一短あるんですが、どちらもバランスよく鍛えられていて、呼吸も安定していれば歌に余裕が生まれるでしょう。自分の声がどういう傾向で、どういう風に鍛えていけば理想に近づけるのか?体験レッスンでもアドバイスさせていただきますので、お気軽にご連絡お待ちしております。