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バンドのボーカルにこそボイトレを勧める理由。

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Hiroshi Yoshida

2015-07-25

僕も初めてライブハウスのステージに立った時はバンドをバックに歌っていましたが、バンドをバックに歌うボーカリストに特に注意すべきことを幾つか。

①ドラムや他の楽器の音量に負けじと声を張り上げたくなりますが、無理にそれをつづけると喉を痛めます。

特にリハーサルスタジオなどの密集したところで大音量の楽器がなっていると、声が聞こえにくくてつい無理して声を張りたくなりますが、そもそも物理的にアンプの大音量に人間の声が勝つのは不可能です。

そしてどうしても、大音量の楽器のそばではマイクに他の楽器の音が乗ってくるのでハウリングを起こさないように音量を上げるのが難しかったりしますが、場所を移動するなどしていいポイントを見つけましょう。

自分が無理なく歌えるレベル感で、ミキサーで音量を調節して全員に聞こえるようにして、マイクも口に近づけた方が喉への負担が少ないです。

そこらへんを踏まえた上でもボーカルが聞こえないなら、やっぱり喉に負担をかけない歌い方で声量UPできるようなボイトレが必要ですね。

②メロディの音域が低すぎるとバンドのアレンジの中でメロディが抜けてこない。

やっぱりメロディのトップ音が高い方が全体としての音域を高くできるのでアレンジもすっきりするし、言葉も聞こえてきます。声量、というところも大事ですが、音域の面も少し見直してみて高めにできるならいろいろな面で有利になってきます。

そこもやはりボイトレで、ミックスボイスなど習得して楽に高音域を操れるようになったら表現も広がりますね。

③我流でやっている人が多いからライバルと差をつけやすい。

上記のような理由で、バンドのボーカルというのはかなり過酷な環境で歌わなければならないことが多いのですが、バンドで歌うような人の性格上?そんなのしらねえ!歌なんて気合いだ!酒でも飲んで喉潰すまで叫んでこそロックだ!みたいな感じで無理する人が多いような気がします。

音楽を愛するのなら当然、長く続けていきたいもの。伝えたいメッセージがあるならなおさら、安定した声で歌い続けられるように訓練する方がいいでしょう。

シャウトやがなり声みたいな声も、やり方によって喉に負担がないようにできます。一時的な感情の表現でなく、何回やっても同じように無理なくできるように練習するのがプロ。

ステージではド派手に暴れまくっているように”魅せて”、裏では地味なボイストレーニングを積み、ちゃんと声をコントロールできるような人が、長期的にはライバルと差をつけて成功できるのではないでしょうか??

2018-12-1追記:やっぱり大きな声はハラからだ!

声量を大きくしたい時、声帯の閉鎖を強めるという方向で声帯閉鎖系のトレーニングをするのももちろんありですが、僕は腹圧による閉鎖というのが鍵を握っているのではないかと思います。

腹圧をかけることで、自然に声帯は閉じようとするのでその閉鎖がヘッドボイスの閉鎖にも使えるし、ハードロック系のシンガーの高域はほぼそういうサウンドではないかと僕は思っているのですが

その腹圧の掛け方が難しいんですね。トイレで気張る感じとよく言ってますが、そんなに力を入れなくてもその閉鎖はできるはず。腹圧!とレッスンでいうとやたらとお腹に力を入れるパターンが多いんですが、それだとあまり意味ないんです。結局その塩梅を掴むところが難しいんですが・・

ただ、大きな声を出すという方向と、高い声を出す(もしくは高い音域でのファルセットを閉鎖させてヘッドボイスにする)、という方向は同じような部分の感覚を鍛えることで芽生えることが多い気はしています。レッスンでは、噛み砕いて実践していきますので、お悩みのシンガーさんはぜひ体験レッスンにも。