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音楽を続ける意味なんて、あるわけがない。

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Hiroshi Yoshida

2017-12-19

最近、音楽を辞めてしまおうかな、なんて悩んでいる人に遭遇することがすこしありまして。これはほとんどのミュージシャンが経験していくことですが・・

音楽をやめるなんて人間をやめるくらい意味がわからない話だ。

最近先輩のギタリストも言っていたことですが、音楽をやめるなんてずっと音楽をやっている人からしたら全く意味はわからないけど、音楽を仕事にするのはやめようと思うことは月に5回くらいあるよ(笑)ということでした。

これミュージシャンなら誰もが通り、悩むところですね。しかしプロを目指したい、もっともっと上にいきたいと強く願っている人に限って音楽をやめようかなあなんてことを思ってしまう。

それは音楽でお金を稼ぎたい、人に、社会に認められたい、そんな風に思うことをやめたい、という意味であって、音楽そのものをやめる必要は全くないのだと思います。

社会的な結果を出すことこそが素晴らしいという呪縛。

一度大きな音楽の仕事をすると、悲しいかな世間の目は180度変わります。うちの母もずっと僕の音楽活動には反対でしたが、メジャーのバックコーラス、楽曲提供などを経て全く意見が変わりました。それはもう理不尽なもんですw

でも、そんな社会の価値観を責めるつもりはありません。僕だってそういう風に人を評価してしまう時があるからです。

どんな音楽やってるの?と聞いた時に、あの有名なあれのあれをやってます、と言われると一目置いてしまうのは誰でもそうだと思います。そのおかげで信頼されて、仕事につながることだってある。もちろんそれが全てではないけれど、そういう実績は学歴みたいにずっとつきまとっているものだと思います。

音楽という世界は、その世間の目の落差が激しいですよね。なんの実績もないミュージシャンというと、ああ、なんかバイトしながらフラフラしてる感じ?みたいな偏見があったり、実際そんなにお金をもっていなくて当然なので、社会的な地位も低くみられがち・・

それが一回何かで実績を出すと急に尊敬の対象になるんです。社会的な地位が高い人からも、”そういう芸術の才能があるって羨ましいです”とか”好きなことを仕事にできるってかっこいいです”とかいろいろ言われるようになる。

しかし現実としては、相当売れているミュージシャンでないかぎり普通の人並みの生活もできないのが現実。だから音楽をお金にする、それでいきていく、ということについては相当シビアな考えができる人でない限りオススメはしません。

小さく、自分なりの規模で、少しだけ稼ぐスタイルの可能性も出てくる?

というわけで、昔ながらの音楽でプロ目指すなんてやめとけ!的な話になってしまいましたがw しかし今僕らにはインターネットと、そこから派生するいろんな革命によって、ライフワークとして音楽を続けていきながら、場合によっては別の仕事もしつつ、少しだけ音楽でお金を稼ぎつつというような個々人にあった表現活動が可能になる可能性があります。

動画、ライブ配信などは時間や場所の制約を飛び越えますし、自分が好きなものに共感してくれる小さなコミュニティにアクセスする方法もいくらでもある。おそらく、これからそういう小さなコミュニティが本当にバーチャルな国のようになって、それぞれが全く違う信条、通貨、文化をつくっていくような時代がくるかもしれない。

今までのように誰もが知っているスーパースターを目指さなくてもいい。だからあなたのライフスタイルに合わせてずっと信じた音楽を続けていければいい。それであなたが本当に居心地のいい世界と繋がれる日がくるまで。信じてちょっとづつでも音楽を続けてみてくださいね。