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”音楽で生きる”ことを急ぐな。

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Hiroshi Yoshida

2017-09-17

年齢も重ねて、それでも夢を追って音楽で生活することを夢見る人が、結果を焦る気持ちはわかります。しかし、音楽にとって大切なものってそんなことと一番程遠いところにあるのでは?

どうして音楽で結果を求めるとしんどいだけなのか?

あなたが音楽を通して求める結果というのはなんでしょう?お金、名声、有名な人との仕事?大きな会場でのライブ?いろいろあるかもしれませんが、それらはすべて魅力あるパフォーマンスの結果でしかありません。

そして、それらは普通の仕事に比べると、金銭的には圧倒的に見返りの少ないものかもしれません。そもそも市場が小さいところにたくさんのアーティストがひしめいているのですから、そうなるのも仕方がない。

音楽で、自分なりに、自分の居場所を見つけてそこで生きて行く、というだけでも相当なハードルがあります。

それでも、音楽で生きていきたい、という人は相当な覚悟、もしくはそれ以外のことがどうしてもできない、というような思い入れがないと結局残らずどこかで辞めてしまう。

ボロボロになっても最後まで残った人が、技術的にも、ハート的にも、そこに一番ふさわしい資質を備えた、そこで生きて行くにふさわしい人間なんだと思います。

だから、常に結果は最後についてくるもの。結果を求めるといつまでもそこにたどり着けずにしんどいだけ。

これがここまで出来れば時給何円アップ、みたいな仕組みは一切ないわけで、努力が完全に無駄ということもある。それでもそれが楽しいことなら、毎日が楽しいはず。

だから、結果を求めずただ楽しむこと。そうやって、だれも求めてないようなことまで夢中になってやっているうちに、だれも予想もしなかったようなものが出来上がっている。

それこそが芸術の価値だし、新しい何かが生まれる瞬間だと思います。

もはや神のみぞ知るというような運命?

人気商売、水商売のこの世界で、ずっと生きていけるなんて奇跡みたいな話ですが、本来生きるというのはそういうものだと思います。なんの保証もない中で、確からしいものを信じて生きているけれど、本当は明日すべてが変わっている可能性だってある。

僕も今こうやって生きられていることが不思議だなあと思える瞬間がなんどもあったし、今も、これからもずっとそうだと思いますw

だからこそいろいろなことに自然に感謝できるし、これが当たり前でないということを身にしみて感じています。

いろいろな厳しいことばかり考えてもしょうがないですが、ずっと言い続けているのは、”たくさんやり続けろ。”ということ。

それ以外に絶対的な真実はないし、それくらい難しいことはない。だからたくさんは出来なくてもいいし、たまには休んだっていい。ただ、どんなに辛いことがあっても完全に辞める必要は全くない。

むしろ、音楽はそんな時にこそ心の支えになってくれるはずのもので、そんな時に辞めたくなるような音楽なら、本当に辞めたほうがいい。

それは何か目指すところがまちがっているのだと思います。

どんな状況になっても、鼻歌まじりでゆっくり進んでいけば、いつか目的地にたどりつくと信じて。歩き続けましょう!