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個性とは出すものではなく、溢れ出るもの。

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Hiroshi Yoshida

2015-06-26

星の数ほどのアーティストが世に出ては消えていく時代。

インターネットの普及で誰でも情報発信ができるようになって、飛び抜けた何かがないと埋もれてしまうというのも事実。

だからと言って、差別化、個性、話題性、キャラ作りばっかりに偏ってしまうと、本質を見失ってしまうよ、という話。

元LINEのCEO森川氏の”シンプルに考える”という本にも

『差別化は狙わない』

という一文があって、共感したのですが
音楽をやる上でも、

見ている人は、あなたの個性を見たいわけではなく、ただ感動したいだけで、あくまで大事なのは中身。

個性はとっかかりのキャッチにはなるかもしれないけど
極端な話、目の前でプレイされている音楽が誰かの有名な曲の完全なコピーであっても、それが本当に心から素晴らしいものであればリスナーは感動して涙するでしょう。

実際、一部のクラシックや伝統音楽などの世界では、数百年前に演奏された音楽をなるべくそのまま再現しようとしている人もいますが、長く愛され続けています。

目新しいことをやっているけど音楽が始まると演奏が聞くに堪えないとか、ビジュアルはインパクト大だけど曲がつまらないとか、そういう人たちは結局ファンが付いてきません。

音楽を長くやっていく以上、

あくまで大事なのはスタイルではなく

音楽としての良さ。

特に、あなたの歌のスタイルを確立していく上で
覚えていて欲しいのは

徹底的に誰かの真似をしても、100%その誰かにはならないから
安心して真似してください。

ということ。

いろんな人のいろんなスタイルを徹底的に真似して自分の技術の幅をひろげていく中で、自分だけのスタイルは自然に確立されていきます。

真似して真似して真似しても

誰の色にも染まらないで残っている部分こそが

あなたから自然に滲みでている個性。

それこそあなたが自信を持つべきあなただけのスタイルであり、表現なのです。

いやいやとはいえ、現実として世に出るためには、戦略的に売りを立てる必要もあるよねっていう話はこちらで。
某メジャーレーベルの新人発掘担当者の本音を聞いてみた。 – LIVEARTIST