Hiroshi Yoshida
2016-07-23
ハミングや、”んがっ”という声でのスケール上下練習は、ボイトレとしても定番のものですね。これらの意味を僕なりに検証してみました。
これらの練習方法が目的とすることとして、いわゆる鼻腔共鳴というのが言われることがあるのですが、それについての僕の考え方はこちら。
共鳴によって音を作るということが正しいのかよく分からないのだけど、 音の通り道を鼻に抜くことで、明らかに声の切り替えがスムーズにいくポイントがあるということは、多くの歌手にとっても実感できることではないでしょうか。
その通り道ってのが、音域の高いところ、低いところを行き来する上で特に重要な、裏声と地声のうまく混ざっているポイント。特に換声点付近での裏返りなどを防止する上でも大切なところになってるわけです。
というわけで、ハミングによって言葉をつかわないので、この発声でスムーズに歌えてもまた母音はいろいろと調節する必要がでてくるんですが、どこで音がなっているか、その感覚をキープしていくためには大切な練習といえると思いますが・・
しかし、 地声、裏声のバランスが偏った状態でこれだけやっても、やっぱり効果は少ない気がしています。
さらには先ほども言ったように、母音による声帯周りのポジションの変化にも注意しないと、結局普通に歌った時にいつもと同じ癖がでてしまうんですよね。なので、やっぱり他のいろいろな練習と同時にやりつつ、ある程度感覚がつかめるようになってから最後の仕上げ的に行き着く練習なのでは?と思っています。
ミックスボイスの感覚をつかむイメージとして、普通の裏声の練習、そして尖った(支えのある、息漏れの少ない)裏声、が出せるようになったら、それをハミングや”んがっ”で出してみたらどうでしょう?支えのある裏声はどうしてもハイラリンクス気味に閉鎖させる動きになりますが、それとはちょっと違ったポイントで裏声を閉鎖させる感覚がつかめたりしませんか??
まあ、あくまでこれは一つのミックスボイスの感覚をつかむためのイメージとして、試してみてくださいね。
あと、これらの練習はリップロールなどと同じように、喉だけに負担が来にくいのでウォーミングアップにもいいですよ。リラックスした状態でやってみてください。