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鼻腔共鳴ってマスターしなきゃいけないの??

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Hiroshi Yoshida

2016-02-12

ボイストレーニングに対する知識や理論は様々。その中でも、体のいろいろなところに響かせる、という方法論は、わかる人、わからない人が頻出するポイントだと思います。その中でもよく言われる鼻腔共鳴ということについて考えてみましょう。

鼻腔共鳴って、結局どういうこと?

はい、正直にいうと、僕はこれがよくわかっていません。

えー、ボイストレーニングを教えているのに鼻腔共鳴もわからないってどういうこと??なんて思う人もいるかもしれませんね。しかし、鼻腔共鳴についてはいろいろな考え方があり、僕がいろいろと学んだ中では、鼻腔は共鳴器としてほとんど役に立たない、という研究もされています。

おそらく、いろいろと調べると、鼻腔共鳴は支えのあるファルセット?いわゆるミックスボイスを出すための方法としていわれているものが多いのか?と思いましたが、声帯の位置を安定させる目的だったり、いろいろなことを言われている印象があって僕も混乱しました。

しかし、その理論で実際にうまくいく人がいるのも事実なのでしょうね。

どうしてそういうことになるのかというと、結局それらは全部出し方のイメージを人に伝えて、それがうまくできる人にはわかる、できない人にはわからないという問題だからです。

声をつくるための音は声帯からしか出ないので、声帯の使い方によって音が変わるということは間違いないと思います。さらに声帯を支える様々な筋肉の使い方によって、鳴る位置やら口の中の形が変わるので、それによって音が変わるのも間違いないと言えるでしょう。

いわゆる体のいろんなところに共鳴させるとか、当てるとかいうボイストレーニングの方法論は、その出し方をイメージすると声帯の周りの筋肉の使い方がこんな風に変わるよ、ということをイメージで伝えているにすぎないと僕は解釈しています。

なので、それですんなりわかって、自分にとって気持ちいい声が出せたという人はそれでやったらいいと思います。

ボイストレーニングはまだまだ確立されていない部分が多い。

僕も日々、いろいろなところで勉強しているいるのですが、まだまだ自分の中で、これだという理論を確立できていません。それは、世の中に溢れているボイストレーニング情報が、あまりに様々だからという部分もあると思います。

というわけで、歌がうまくなりたい一心でいろいろなボイストレーニングで迷子になってしまいがちな人に言いたいのは、

ボイストレーニングよりまず先に、歌ありきです。

そして歌に正解はありません。

あなたに出せる声を全部つかって、どんな風にでも歌ったらいいのです。

発声より先に、素晴らしい歌がまずあって、それを負担なく続けるための基礎練習だったり、可能性を少し広げたりするのがボイストレーニング。

なので、あなたが何か声に問題を感じていないのであれば、ボイストレーニングで迷子になるのは本末転倒だと思います。

誰かの心を震わすためには、もっと大切なことがたくさんあるはずですよ。