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ボイストレーニングって何からやったらいい?初心者におすすめのボイトレの方法。

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Hiroshi Yoshida

2016-07-09

歌をもっとうまくなりたい!と漠然と思いたったはいいが、何をやったらいいのかわからないあなた。なんとなくボイストレーニングが必要らしい・・ということをネットで調べてもいろいろな方法や考え方があり、なんだかよくわからない人へ。初心者が挫折せずに続けられる歌の練習方法。

歌う上で、正しくない発声なんて実はない!?

そう、大前提として、歌で出しちゃいけない声なんてないし、これが正しい方法ですというのもありません。世の中にいろいろな声の、いろいろなスタイルの歌手の人がいるということからもわかりますよね。

あくまであなたがどういう風になりたいか?ということが大切なわけですが、ここにある種の落とし穴があります。それは

あなたの体の作りからして、無理のない声の出し方というのはきっとあって、誰かの真似をし続けてもどこかで無理が出る。

ということ。誰かの真似をしてみることももちろん大切で、あなた自身の声も小さい頃から見聞きしてきただれかの影響を受けてできたものであることは間違いありません。

しかし、あなた自身の固有の体の作りからして自然な出し方というのはあるはずです。ボイストレーニングというのはまず、そのナチュラルな状態を知ることから始まるといえます。

なので、イメージとしては

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①一旦歌は忘れて、純粋に声としての現状の素の状態を知る。

②素の状態を知ることで、歌い方の癖を知る。

③無理な発声は修正し、より歌の可能性を広げるために声の素の力を鍛える。

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というイメージでしょうか。その素の力を鍛えることで、声の持つポテンシャルを最大限に引き出し、自由自在にどんな声でも出せるように鍛えれば、どんな歌でも歌えるようになるよね!っていうのがボイストレーニングです。

歌の基礎とは、呼吸、そして地声と裏声の釣り合わせにある!

と、僕は考えています。呼吸というのは自然にできるのがベストで、歌っている時は特に意識すべきものではありません。しかし、現代人はそもそも呼吸が浅い人が多いので呼吸のための基礎力は上げていく必要があると思います。

そこで、体幹トレーニングやら呼吸法、が必要になりますね。健康でエネルギーに満ちていることが声にも影響するというのはイメージで誰にでもわかるはず。

そういう意味で、”魅力的”になるための基礎だとも考えています。

そして、純粋に歌うための技術として特に大切なのが、裏声と地声の力のバランスです。特に、歌うことでしかほぼ使わない人が多い(普段から裏声気味の人も中にはいますが)裏声を重点的に鍛えることで、音程を取るための筋肉が鍛えられ、さらには過剰に負荷をかけることなく高音域を出せる、いわゆるミックスボイスの習得にもつながります。

そのためには喉頭周辺の筋肉の使われていないところを目覚めさせ、使えるようにし、鍛えてバランスをとるというプロセスが必要です。

具体的なボイストレーニングの基礎練習方法。

というわけで、具体的な練習方法として過去記事のリンクをいろいろ。

①ストレッチ

歌も運動ですから、準備運動的に体を温める意味でも。特に喉周りはリラックスした状態が大切です。

歌う前にもストレッチが効く!

表情筋も忘れずに。表情筋の使い方で喉周りの筋肉のバランスも変わりますよ。

表情筋が固まっていませんか?

②リップロール&タングトリル

これは定番の練習ですね。リラックスした発声のイメージを喉に覚えさせるような意味合いの練習です。しかし、これも特に喉頭周りの筋肉を鍛える効果はありませんので、ウォーミングアップ、そしてどうしても力が入って歌えないフレーズがあるような時に、リップロールで歌ってイメージをつかむ等、素の声の状態を知る手がかりになるでしょう。

リップロールって効果あんのかい?というあなたに

タングトリルについては、喉の奥を開くイメージ、舌の脱力、という意味ではタングトリルでのファルセット発声などは声帯を引き延ばしてフラットに戻すような効果もあるので、時折やってみるといいでしょう。

③裏声と地声の釣り合わせ系基礎

裏声と地声を釣り合わせる系のボイトレはいろいろあって、本当はその人それぞれの傾向に合わせてバランスをとっていくような必要があります。

裏声を強めに尖った感じで出す練習というのが、ミックスボイスの基礎になります。これをなるべく低い音域まで出せるようにするのが大切です。

さらに裏声を広い音域で安定した音程でキープできるようにする、とても地味な練習も効果的で、しかしそれだけでは地味なのでついでに

[voice icon=”https://liveartist.info/wp-content/uploads/2017/12/IMG_0145.jpg” name=”Hiroshi” type=”r”]”いーえーあーおーうー”[/voice]

という母音が変化しても声がひっくり返らないようにする意味もこめて、裏声でキープしてみましょう。これはなるべく母音をつなげて発声するような感じで。”い”の形から徐々に”え”の形にしていく感じですね。

最後に、メッサ・ディ・ボーチェという、同じ音で裏声から地声、そして裏声に戻るという練習。これは究極の練習と言われますが、以外に難しいですよ。ひっくり返らないように綺麗につなげましょう。

メッサ・ディ・ボーチェは究極のボイトレ??地声と裏声をつなごう。

④声帯の閉鎖系基礎

ボーカルフライなどは代表的ですが、声帯の閉鎖を強くすることで、裏声の中に地声を混ぜていく力が鍛えられます。以外に息を吸いながら発声するというのも強力に効いたりします。できる人はチャレンジしてみてください。

ボーカルフライ、エッジボイス?

あとは地声、声量を鍛えるという意味でもこちらも。

地声力を鍛える。

⑤体幹、腹圧、丹田を鍛えるための日々の基礎トレーニング。

最後に、やっぱり体、健康は大事だよということで基礎トレーニングもあげておきます。声量(声の勢い?)にはやっぱり腹圧の力が大きくかかわってるのは皆さんも経験的にわかるでしょう。ハラから声を出す、その意識があれば、喉だけでなく体で息や音程を安定させられる感覚が身につきますよ。

高音にも。必要なのは腹腔内圧だった!

腹の底から声をだせ。でもハラって何?

それでもやっぱり一度は自分の癖を見てもらうのがいいかも。

というわけで、少し複雑になってしまいましたが最後に注意。僕も長らく独学で本などで調べた情報で練習していましたが、それでも現状の自分の癖はわからず、練習すればできるようになるであろう可能性などは未知数で手探りでした。

そのせいか、独学でやっていた期間は長かったですが、結局成果がわからないのでやらなくなったり、やっぱり高音を出す才能がないんだと諦めてしまったり。そんなことの繰り返し。なまじ歌には自信があったのでそれでも何とかなった部分もありましたが、案の定プロの現場のオーディションに受かってからボイトレに通いなさいと言われました。

歳をとるとなおさら今までの癖を直していくのが大変になります。そして、やっぱりボイトレは自分の根本の無意識レベルの筋肉の動きを修正していく作業なので、結果が出るまでに時間がかかります。もし、ずっと歌っていきたいという思いがあるのなら、なるべく早いうちにプロに見てもらうのもいいと思いますよ。

体験レッスンに来ていただければ歌を聞いてアドバイスしますよ!ぜひお気軽に。