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ボーカル宅録で陥りがちな音量の罠。

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Hiroshi Yoshida

2016-12-11

ボーカルを気軽に自宅でレコーデイングできる時代ですが、レコーデイングのクオリティ、そしてボーカルのスキルアップに繋がるポイントとして、思い切り歌える環境とモニタリングの音量って大切ですよ。

モニタリングの音量って超重要。

プロのライブ現場でも最近ではイヤモニが主流になっていますが、これもほとんど同じことで、全体の音量と、自分の声の音量をどのくらいに設定するかってとても重要です。

陥りがちなのが、日本人は特に周りの環境に配慮して遠慮がちに声を出す癖がついている人が多いので、小さめの音でモニタリングしてさらに声も小さく歌って、歌全体が小さくまとまってしまうケース。

欧米のボーカルの音は太いとか音がいいとかいろいろ言われるのに、音量の大きさがあると思うのです。声が小さいとどうしても音も細く、音色も暗くなりがちですよ。

レコーデイングって基本、録音する音が周りの音に対して大きい方がはっきりとれますよね。レコーディング機器には必ず特定のノイズがありますので、周りがいかに静かだったとしても、最終的にマスタリングするときに圧縮するとそのノイズの影響がでてしまいます。

そういう意味でも、音は大きいに越したことない。

普段プロの音源を小さい音で聞いて、歌う真似をしたりするかもしれませんが、当然ですが、そのプロの歌はそんな小さな声で録音されていません。

そういう癖がついている人が陥りがちなのが、口先だけで音色を真似ようとして本当にモノマネタレントみたいになってしまうケース。

音源のその先にある、本当はどんな音量で、どんな体の使い方で歌っているのかな??というところまで想像しながら真似をしてみてください。

音量が小さいから、リズムにも乗れない。

全体が小さくなると、歌が盛り上がったところでリズムが聞こえなくなったりしてしまいます。特にサビにくるとどうしてもリズムが突っ込むとか、声を張りすぎてわけがわからなくなる、感情に任せただけの歌になってしまう、というようなケースも、モニタリングをしっかりできるように調節することで改善されたりします。

音楽では、自分のプレイを聞くのと同じかそれ以上に周りの音を聞いて調和させるという意識が大切。それが基本中の基本です。

というわけで、僕が意識してやるモニタリングの設定は、オケの音量は少し大きめ、ボーカルの音量は少し小さめ、というバランス。

そうすると、ボーカルの音をちゃんと聞ける音量で出す意識ができます。

これは人それぞれの好みもあるので、一概には言えないのですが、音量を変えつつ自分のパフォーマンスを客観的に聴き比べてみるといろいろ発見があるかもしれません。

最終的には、自分の声ほとんど返ってなくても、自分の骨伝導の音だけで歌えたら一流ですね!w

LIVEARTISTのレッスンでは、レコーディングしながらアドバイスしたりもできますので、宅録の参考にしてくださいね。