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集団レッスンの可能性。

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Hiroshi Yoshida

2021-2-22

ボイストレーニングは個々の人に合わせてやるのがよい、というのは昔からの常識でしたが、某所で2年ほど集団レッスンをやって見えた可能性があります。

集団でやることのメリットも大いにある。

毎週、主に子供から20歳代のエンタメ業界を目指す子たちに集団レッスンを提供してきて、次第に見えてきたことがあります。はっきりと思うのは集団レッスンのメリット、というのは確実にある。

やはり個別のボイストレーニング程細かくその人に合った指導はできないので、時間的な有効性でいうと個人のほうがよりその人にフォーカスしてフィードバックしていける可能性はある。

しかし、やはりコスト面で毎週個人レッスンを受けることが難しいという人が多いのが現実。しかし僕のスタイルでは、90分の中でおよそ30分は万人に通用するようなボイストレーニングの考え方や基礎トレーニングを要点を毎回説明しながら全員でやりつつ、残りの60分は出席者一人一人の課題曲を歌ってもらって、みんなの前で評価するというスタイルでやっています。

女子も男子も混ざって万人に通用するような練習というのも考え方によっては難しいし、先生によってはそんなのはありえないと思う人もいるでしょう。でも僕は僕なりの研究や勉強の結果から、これは使えるというものを厳選しつつやっています。

何人来ているかにもよりますが、個別で見れる時間が数分ということになっても、その場でみんなの視線を感じながら歌うという緊張感はライブそのもの。だからある意味、ステージに立つ人間として絶対必要な現場の緊張感のようなものを味わいつつ歌う機会が毎週来るということになります。

これはものすごいいいことだと思っていて、そういう緊張感ある本番のような環境ってなかなか作れるものではないんですよね。

そして少なからず、ほかの子を見ることによって学んだり刺激を受けたりすることがあるということ。競争ではないとはいえ、やはりどこかで競争心が心に火をつけることは大いにある。

そして、みんなで声出しをするからこそ気兼ねせずに声を出せるという人が少なからずいます。そして自分の声の大きさも測りやすい。

意外と人の声ってそんなに変わらないのではないか?

という仮説も僕の中で芽生えつつあって、これだけいろんな人がいても換声点が大体同じところにあったりするというのは、そもそも声帯のつくりや筋肉のつくりはほぼ同じなわけだから、何かの刺激をどうにかするとほとんど同じ結果になるということもあり得るだろうなと。

とはいえ、スタート地点はみんなバラバラなわけですから、それらを加味しても全員が何か良い方向に進んでいけるように、全体と短い個別アドバイスを交えてやっている感じです。