Hiroshi Yoshida
2019-02-17
歌う時は口を大きく開けて、というのが学校の合唱コンクールで男子が注意される定番だった気がしますが?w 結局それってどこまで必要なんでしょうか。
僕は正直、口を開けなさい、という指導の否定派でした。口を開けないシンガーも多いし、何よりパクパク口を開くのがかっこ悪いと思えてあまり好きじゃなかったんです。
しかしボイトレをやるようになって、口を開くことで特に高音域でのミックスが出やすいことに気がつき、それからは何かしらで口を開いてみることを試すようになりました。
僕の考えでは、ボイトレの基礎である"喉を開く、口角をあげる"などの動作を強制するために、口を開くということがとてもわかりやすく手っ取り早い。だから特に集団を指導するときは、目で見てもわかりやすい、口を開きなさい!という指導が一般的になったのかな?とか。
あとは言葉が明瞭になりやすいので、特に日本語の伝わりやすさは格段に上がると思います。そういう意味では口を開くことはいいことづくめのような気もしますが・・
しかし、シンガーでもあまり口を開かない人がいるのはなぜでしょう?屈折した反抗心なのか、脱力した感じを出したいのか。ちなみに僕はそういう感じでしたがw
基本的には喉の奥が開いていれば、発声としては問題ない。そして言葉もそんなにはっきり言わなくても伝わる場合も多い。それはある意味、日常会話として話している感じに近い方が、実際に心から言っているような気がしてリアリティがある、ということの表現ではないか?と僕は思っています。
普段からハキハキものをいう人ってとてもポジティブで社会的に成功している人なイメージがありますが、音楽って必ずしもそういう人ばかりが共感を得るものじゃないですよね。
ちょっと悪かったり、ちょっとけだるかったり、かっこつけてたり、ダメっぽかったり。そういう人間の持つ"生きづらい"側面を、それでも生きられるんだ!という風に受け入れてくれるのが芸術。
だからこそ、全てが真っ当で理想通りだったら、自分はそんな風には生きられない、という人の方が多くなってしまう。だから共感が生まれない。そんなこともあるのではないでしょうか?
そうやって僕もいろいろと反抗してきたのですがw やっぱりボイトレの基礎としては口を開いてみることで気づけるポイントはとても多いと感じてます。練習のときは思いっきり口をひらいてみたりしてると、新たな声に出会える可能性も広がりますよ。