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ミックスボイスを習得しようとする前に。

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Hiroshi Yoshida

2021-4-8

ボイトレ、という言葉が一般に定着したのは割と最近なような気がしているのですが、そういう練習をしなくても昔から良い歌手はいたわけで。

大切なのは、高い声ではない。

最初に言っておきたいのは、決してボイトレが必要ないとか、ミックスボイスなんてできても仕方ない、という否定的な意見ではないということです。僕もボイトレ講師として日々それについて主に指導しておりますので!

しかし、僕は良く自分の経験を話すのですが、自分はプロのバックコーラスのオーディションに合格した時まで、ボイトレに行ったことはなかったし、自分で一生懸命いろいろな歌を覚えて練習するということは人一倍やっていた自信はあるけど、いわゆるボイトレをやったことはありませんでした。

まあ、その後、やはり発声の基礎ができていなくてボイトレに行くことにはなるのですが。。しかし、この事実から大切なのは、"ボイトレをしなくてもよい歌手と思われることはできる"という事実。

発声というのはあくまで、効率的な声の出し方だったり負担のない出し方を練習することでもあるので、声を酷使したりするプロには必須かもしれませんが、人の心に何かを伝えるために必須なこと、とは僕は思いません。

むしろ、表現のリアリティという意味ではあなたが生きてきたそのままの声で表現するほうが刺さる場合すらあると思っているし、実際発声なんて考えずにそうやって売れていく人もたくさんいます。

しかし、まあそれで長続きするかというと。。。という話ですね。

だから言いたいのは、特に駆け出しのアーティストならば、発声がちゃんとできていないと歌えない、というのは順番が逆で、良い歌があってこそボイトレの意味がある、と考えるべきだと思っています。

あとは、最近は特に男性のやたらと高音のシンガーが多いので、ミックスボイスやらの技術をYOUTUBEとかで見てやってみたいという人は多いと思いますが

それももちろんどんどんチャレンジしたらいいと思うんですが、”それはいい歌手であるための必須項目では決してない”ということは頭に入れておいた方がいい。

自分の今の声で歌いやすいキーで歌って、感動した!と言われることの方が百倍大事であって、それ以外にあなたが評価を受ける方法はないはず。

高い声ですねー!発声がきれいですねー!でファンになってくれる人は同じくボイトレをやっている人とか、一部の発声マニア?だけ。

だからまず、今すぐにできることをより感動できるように伝わるように世に放っていくことを考えつつ、裏側で一生懸命ミックスボイスや基礎ボイトレをやり続ける、というのがよいと思っています。