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丹田は歌の土台、声の支えのための下半身力。腹圧を見直そう。

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Hiroshi Yoshida

2016-07-03

声を出すための土台は実は下半身にあります。応援団が大きな声を出し続けるために、腰を落として、腰割りの姿勢で下腹部から声を出しますね。ああいった下半身の基礎力が大切というお話。

”丹田”の力、それは腹圧。そこにつながる下半身力はやっぱり歌に効く。

横隔膜を下げる力、骨盤底筋群を閉める力、腸腰筋による支えの力、腹横筋の収縮、これらはすべて腹圧に関わってきます。いわゆる”丹田”と昔から言われる部分ですね。

発声の面で、声帯の周りの筋肉の使い方、バランスを意識して練習していくということはもちろん大切。特に裏声、地声の使いわけはどうしても声帯周りの練習になります。

しかしもっと根本の面で、下半身の土台が大切だということは、いろいろな歌い手を見てきた中でも、自分の経験から明らか。

実体験として発声の声量、声がれ、喉声解消、高音発声など発声で問題になるあらゆることにこれらの下半身の力がなんらかの関係をしていると思います。

フースラー理論など勉強すると、発声については声帯周りの筋肉しか直接的な影響を及ぼさない、というような考えになって呼吸や体幹を軽視しますが、やはり体はすべてつながっています。

歌、声というのは、トータルでの心と体のバランスだと思うのです。だから、科学や医学で証明されたことを盲信するだけでなく、もっと先人たちの経験則から導き出されてきた考えも柔軟に取り入れていきたいところですね。

丹田の力ってなに?

丹田の力はメンタルにおいても大きな影響があることが知られています。いわゆる、 腰が据わっている、とか、 肝が据わっている、というのは丹田の力があるということ。

緊張することを上がる、と言いますが、何が上がるかというと気が上がる=血液が心臓に、さらに脳に上がってドキドキして、いろいろなことをあれこれ考えるようになってしまうということです。

そんな状態だと良いパフォーマンスができませんよね。じゃあなんで丹田が鍛えられていると肝がすわって堂々とできるのか、それは丹田を鍛えて腸やら腹圧周りのインナーマッスルに毛細血管がたくさんできることで、血が上がらないようになるかららしいです。

体の重心が下がることで、歌にとってもいろいろなメリットが出てきます。いわゆる高音域での力みによる ハイラリンクスを治す効果もあるのでは?と個人的には思っています。

やっぱり歌うには体が大切。

僕の周りのプロのシンガーでも、ずっとスポーツをやっていた人や学生のころ応援団だった人などが多くいるんですが、これらからも、やはり体の強さが声に影響するところが大きいという気がしています。

実は僕、根が文化系なのでw少しスポーツもやっていましたが、あまり自信がある方ではありませんでした。家でずっと曲をつくっていたりすることも多いので座り続きで体が弱っていたりするとどうも声が小さくなっていきがちなんですね。

しかし、現場に出るとそうは言ってられませんので、日々四股ふみなど日課にして鍛えています。公園でやるのは少し恥ずかしいですがw股を割るのは慣れるととても気持ちがいいですよ。

みなさんも、歌が思い通りにならないのであれば是非、体、特に下半身を見直して鍛えてみてくださいね。