title image

腹の底から声を出せ!でも、ハラってなに?

image

Hiroshi Yoshida

2016-04-16

お腹の底から声をだす、と良く言われますね。呼吸するときも、お腹に空気を入れるようにとか、いろいろなことを言われますが、結局のところその”お腹”、”ハラ”というのはなんなのでしょうか?

丹田、腹腔内圧、いろいろあるけど、どういうメカニズムで声に影響するのかはまだ研究の余地あり。

昔から武道などでもよく言われる”丹田”の重要性。体のバランス、健康、精神の中心ともいうべき重要性があるとされていますが、そこに何か特定の臓器があるというようなことではなく、あくまで体感的な意味での体の核ともいうべきところ。

以前から言っているように 腹圧を高めることで、横隔膜の可動域が広がり、呼気、吸気圧も上昇、横隔膜の可動域に対応するように喉頭周辺の筋肉のバランスも影響を受けて、特により強い引き下げが可能になる・・?というような仮説を僕は考えています。

体幹トレーニングで主に

腹横筋,多裂筋,横隔膜,骨盤底筋群,大腰筋,腸腰筋

などを鍛えることで、腹圧が高くなり姿勢も良くなるので、歌う上で呼吸するときの肺のスペースが広がり、有利になると思いますね。

個人的には、やっぱり昔から歌はお腹から歌え!と言われるように、腹圧を高めていくことでいろいろな発声の問題が一発で解決してしまうという可能性は十分に感じます。

呼吸に関しては、自然にしておくのが一番、という考え方もある。確かにそうだと思う。

これも自分の経験で言うと、つい、体幹が大切だ!腹圧だ!というと、力を入れたまま歌うのがいいのか?と思われがちだと思います。実際そういう風に指導する人もいるみたいですね。

でも、ずっとガチガチに力を入れ続けて歌うというのは普通に無理がありますよねw

なので、あくまで練習するときは、ときに高音域などでグッと腹圧を高めてみる(横隔膜を下げ、お尻を締める)と、感覚がつかみやすいと思うし、大きな声を出すときにも意識してお腹をグッと力を入れてみてください。

そうやって練習していくうちに、意識しなくてもその声を出そうとするだけで自然に無理ない範囲でその筋肉を使えるようになります。そうすると、なんの負荷も感じずに声が出るようになるんですね。

他のスポーツでもなんでも、最初にコツをつかもうとするときは無駄にいろんなところに力を入れてしまうけど、慣れると自然にできるようになるということありますよね?

鍛える、というのもそういうことなんです。鍛えはするけど、力んだ状態のままでいろということではありませんよ。いままで使えていなかった部分を使えるように目覚めさせ、さらに強くしていく、ということです。

じゃあ腹圧を鍛えた上で、呼吸は結局どうしたらいいの?と言われたら、 歌ってるときは自然に呼吸してればいいよ、というのが答えではないかと思っています。なぜなら、腹圧を高めれば呼吸は自然に深くなるから。あなたが長いフレーズを歌って吐ききった息を一瞬で吸い込めるなら、丹田呼吸だろうが腹式呼吸だろうが逆腹式だろうがなんでもいいんです。

ただ、腹圧を鍛えていれば自然に腹圧を鍛える中で横隔膜の上下動についてもなんらかの方法でトレーニングしますからね。

ちなみに僕が最近練習しているのは、逆腹式に近い呼吸法で、お腹と背中に同じくらいの力を下方向にかけるイメージで横隔膜を下げ、骨盤底筋群も締めながらぎゅっと息を吸い、吐くときに全て緩める、という方法。内臓のマッサージ効果もありそうで、息を吸うと同時にいわゆる丹田?に向かって力をぎゅっと込めるような感じ。これを何回かやると瞬時に体が温まって体が楽になるんですよね。

姿勢を良くして背筋を使って呼吸する、背骨に空気が通っていくようなイメージで、というのがわかりやすいでしょうか?

歌ってるときは別に意識してこういう呼吸をしてるわけじゃありませんよw

健康にも良さそうなので、みなさんもぜひ試してみてください。