Hiroshi Yoshida
2016-05-23
皆さんは、音楽家にどのようなイメージを持っていらっしゃるでしょうか。
音楽家と一言で言っても、ジャンルは様々ですが、「気難しくて融通が利かない奇人」という印象はありませんか?
クラシックの世界で言うと、ベートーベンはまさにそのイメージピッタリの人物だったと言われています。
ベートーベンのお弟子さんは、気性の荒いベートーベンに楽譜を破かれたり、はたまた噛みつきなどの暴力を受けていたそうです。
なのに、気分によっては無邪気に親切にしてみたり…とまさに奇人・変人の典型的な性格だったと言われています。
絶対に上司にしたくない男、ベートーベン。
しかし、彼が天才であったことは周知の事実ですよね。
アーティストは、天才的な発想や表現能力、そして常識を逸脱できる勇気も必要な才能なのかもしれません。
クラシック音楽史上、最多の作曲をしたと言われる人物、ゲオルク・フィリップ・テレマン。
実は、テレマンは天才らしい変態気質の持ち主ではなかったんです。
頭の回転が速く商才も持ち合わせていた音楽家でもあり、自身のコンサートで「チケットの予約販売」をしていた人物なのです。
予約とすることでレア感を演出するという今では当たり前の商法を、テレマンははるか昔にしていたということになります。
テレマンは、「生涯に渡る地位」と「高い給料」に対し執着心を持っていたため、コンサートでも裕福層をターゲットにしていました。
計画的な立ち振る舞いは、昔の音楽の世界ではめずらしいですよね。
才能が豊かなだけではなく、自分をもブランドにし成功した偉大なロックシンガー、矢沢永吉。
彼の名言の中に、こんなセリフがあります。
事務所の人間と揉めて暴言を吐かれたときに返した永ちゃんの言葉。
「お前が一生かかって稼ぐ金、矢沢の2秒」
そう、彼は自分自身がブランドであり、金のなる木でもあることを熟知していたのです。
そして、コンサートで「矢沢タオル」などのグッズ販売をし、見事成功。
地位もお金も、手に入れたのです。
偉大な音楽家は、意外にも頭脳を使って活動(商売)をしているもの。
ドン引きするというよりも、清々しくて格好いいとすら感じますよね。