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”共感”こそが心を動かす。共感を得る歌詞、言葉とは?

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Hiroshi Yoshida

2017-02-22

こちらのブログを読んで体験レッスンに来ていただく方に言ってもらって嬉しいのが、”ブログの内容にとても共感しました”という言葉。共感を得るって、アーティストとしてもとても大切なことなんですよね。でもどうやったら共感を得るような表現ができるんでしょうか?考えてみました。

みんながなんとなく思っているけど言えないことを、勇気をもって言うからこそ共感を得る。

大前提としてはこれですよね。信頼されるためにも必要なことだと思います。まずは、嘘をつかない、ってこと。あらゆる情報が溢れかえってる時代ですから、リテラシーの高い人にはすぐ嘘は見破られるし、バックグラウンドがしっかりしていない人の発言はやっぱりそれなりだと思われてしまうもの。

そのテーマについて日常的に考えているからこそ見つけられる本質もあるし、そういう深いものにしか説得力はない。

そして、みんなが思っているけどうまく言葉にできないことを言葉にする、というスキルも共感を得る上で大切ですよね。これもやっぱり、ずっと考え続けてないとまとまったシンプルな言葉を選べないと思います。

共感を得る歌詞について考えてみると、恋愛の悩み、人生の悩み、願望や欲望について、コンプレックスについて、そんな普段さらっと軽くは言えないようなことを、歌だから言える、というような歌詞は共感を得ますよね。

そういう意味では、歌詞って”恥ずかしくて当たり前”だと思うんです。歌詞が書けないんですーという人のほとんどは、ただ恥ずかしがってるだけだと思います。でも、歌詞って基本恥ずかしいんですよw(もっといえば自分で歌詞書いて歌うなんてとっても恥ずかしいですよw)恥ずかしくないとつまらないとさえ言えると思います。

直接的な表現を使うと恥ずかしいから遠まわしに抽象的にしてしまうという人もいますよね。もちろん、それが良い場合もあるけど、より多くの人に伝わるようなものにするという意味では、当然内容がわかりやすいものの方が共感を得やすいという現実はあります。その辺のバランスの取り方こそが作詞のセンスの見せ所ですね。

誰もが体験したことのある情景を描く。

これも基本ですね。まったく作り話の空想的世界観より、誰もが経験する日常の情景の方が自分のことに置き換えて考えやすいというのはあるでしょう。近所のコンビニでなんかあったとか、学校でなんかあったとか、帰り道になんかあったとかwそういうのは誰にでもそれぞれの風景が浮かぶんじゃないでしょうか?

そして誰もが経験する心が動く瞬間を描く。ちょっとした恋とか、ちょっとした苦労とか、ちょっとした喜びとか。そういうのは定番ですよね。

最後には普遍的な真理につなげる。

最終的には、いろいろあるけど結局みんな頑張って生きてるんだねとか、仲間って大切だよねとか、いろんなことへの感謝とか、やっぱりお前が好きなんだとか、人間が普遍的に抱く、生きる力になる感情につなげることが一番共感を得られるのではないでしょうか。

音楽ってそういう力になるものだと思うし、そうあってほしいと思います。音には、”共鳴”という物理現象もありますが、それってまさに共感と同じこと。同じような波長を持った人たちに出会うと、自分の心も震える。不思議な現象だけど、物理学でも全ては波動で出来ているという考え方もありますから納得ですよね。

総じていうなら、いかにリアルな心の声を聞くか、それを表現できるか、ということじゃないかなと思います。建前ばっかりで生きてたり、日々仕方なくやりたくないことやってたりしていると、どんどんリアルな心の声がわからなくなることもありますよね。

そんな時こそ、歌にして、歌詞にして、思い切り歌ってみるのがいいんじゃないでしょうか?そうすることで同じような思いの人たちが共感してくれるものになるかもしれませんよ。