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あなたが歌う理由は?

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Hiroshi Yoshida

2021-4-16

なぜ人は歌うのか?という根源的な問いは難しいですが、少なくとも自分が歌い続ける理由みたいなものが説明できると強い場面があると思っています。

自分がどう見られたいのか?を超えて。

歌、音楽というのはどうしても音を発しないといけないので、自分だけのため、というのがそもそも難しかったりもしますね。

どうしても周りの誰かに聞かれているという状況も多くあると思いますし、最終的には誰かに聞かれるためにやっている人も多いでしょう。

でも誰かに聞かれるということを意識して始める人はむしろ少なくて、歌というのはそもそも感情の叫びのようにあふれ出してくるもの。だから歌うことに理由はないし、生きていることと同義くらいのものだと僕は思っています。

でも、やっぱりどこかで人は歌うことを辞めてしまいがちになりますよね。恥ずかしいとか、下手だからとか。

歌うことはまさに感情をむき出しにすることなので、泣きたいのに泣けない、怒りたいのに怒れない、というような理性的であることを強要されて生きる現代人が唯一感情を吐き出せるものなのかもしれません。

多くの人が同じように感じているからこそ共鳴を生む。

そんなわけで、その社会的な側面を抱えたままの歌というのは、社会と同じように息苦しいんですね。つまり社会的な評価を気にしているだけの歌。

それはテクニック至上主義的なものだったり、既存の価値観でしか図れないような物差しで誰かを評価するものだったり。

そんなのは歌の本質から大いに外れていると言っても過言ではない。ボイトレなんかもある意味そうで、本当はありのままの心の叫びこそがリアルな歌であるわけだから、みんなとにかくそこから始めたらいい。

でもどうしても、社会的な価値観の呪縛から自分を評価してしまって、いきなりマイナスからのスタートをして自分を追い込んでしまう人も多い。

本来はそんなのはナンセンスで、とにかく心の赴くままに歌うことから始めてみるべきなんだと思います。そして、それでもし息詰まることがあるなら、もっとどうにかしたい!と思うことがあったとしたら、いろんな知識がプラスに使えていって、もっと面白くなっていくのではないかと思います。