Hiroshi Yoshida
2018-08-21
僕はボイトレをロジカルに考えるのが好きなタイプなので、理論的に説明したほうがいいとか思ってしまう傾向があったのですが、最近はそんなことより、実際体でわかってもらう方が早いと思っていろいろ指導法を見直したりしてます。その一つがこれ。
歌声、歌をうたおうとするとほとんどの人は、自然な発声というより、今までスピーカーから聞いて来た誰かの歌の自分なりの再現で歌おうとします。
それが、不自然な発声、声の表面的なサウンドだけ真似したような発声につながりやすいような気がしてます。
もっと体全体を使ったような声が使えたら、スケールの大きい表現ができるのに。大体の偉大な歌手はそうしているのに。
現物、しかも生の声で歌っている偉大な歌手を身近で聞いたことがないからこそ、というのもあるかもしれませんね。そんな意味でもライブを見に行くことは大切です。
で、僕が結構な確率で、その小さくコンパクトにまとまってしまったその人の歌の世界、声の世界から大きく飛び出すきっかけのイメージづくりとしてよくやるのが
あの壁の向こうに誰かいると思って”おーーい”って呼んでみる、ってやつ。
そのとき、声、体の使い方が変わる人が多いんですよね。もちろん例外もありますが。
それで一発でその日1日の歌い方が変わる人もたくさんいます。何か新しい世界がひらけた!という感動を覚える人もいますよ。
僕も個人的にいろんなボイトレの流派?の本を読んだりして勉強してきたのですが、今まではどちらかというと声は全て声帯、声帯周りの筋肉の使い方の問題、という考えを支持して来ました
でも最近は、明らかに体幹によってサポートされないと出ない、もしくは出にくい声があると感じています。
声帯を閉鎖させる上で、腹圧をかけることがなにがしかのサポートをしてると感じてるし、ポジションを引き下げる効果もあると感じる。
なにより、昔からお腹から声をだせ!丹田で、下半身で支えろ!偉大な歌手は背中で歌う。演歌は腰でうたえ、など、歌には体、とくに体幹周りの使い方が大切という教えがたくさんあった。
それが解剖学が発達したあたりから、科学的には、表面的な筋肉の働きとして、そこはあまり関係がないように見えたのかもしれないけど
体は結局全部繋がってますからね。
その辺の体幹の筋肉の働きを、誰か解剖学的に研究している人は意外といない?気がしてますが、誰かいたら教えて欲しい!!
僕が体で感じている仮説はこんな感じです
トイレできばる時のように腹圧をかけると体内の空気圧を高めるために声帯(もしくは仮声帯)も閉鎖するのでは??それを声に利用しているのでは?
横隔膜をコントロールするのに背中の筋肉の方が大きいので、腹圧もコントロールしやすい、だから偉大な歌手は背中で歌うのでは?
謎の多い骨、仙骨が、原始的なエネルギーをもった声を発するために鍵になっていて、その動きが魅力ある声の何らかの役割をはたしているのでは?
とか、声はただでさえメンタルな要因が大きく関わるので、スピリチュアル、オカルト?的な方向に考え出したらきりがないですがw
その辺の深い領域まで、日々いろんなことをレッスンの中で僕も学ばせてもらいながら、指導方法も深くなっている気がしております!