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シャウト、デス声も実は大切な練習?仮声帯が広げる声の可能性。

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Hiroshi Yoshida

2016-07-22

普通のJPOPファンの人はあまり耳にすることがないかもしれませんが、いわゆるデスボイス、などと言われて、ハードコアなどのジャンルでよく使われる、威嚇するような恐ろしい歪んだ声がありますね。それだけでなく、ロックやブルース、ソウルでも耳にするガッとしたシャウト、そんな声が実は、声の可能性を広げるんです。

仮声帯の働きはよくわかってないが、活性化させれば声の変化を実感できる。

ガム、と言われる、仮声帯を動かしていく音、一番みなさんに身近な音でいえば、咳払いをしたときの”ゴホン”という”ゴ”の音。

その時、声帯じゃないところがブルブルと動いている感じ、わかりますか??

その音を、意図的にいろいろな音程を歌う時にも出せるようになると、理屈は分から無いのですが、声帯の閉鎖が強くなります。ミックスボイスの音域などで、強く閉鎖していく上でのトレーニングになりますし、声量アップにつながります。

仮声帯の働きについては、科学的にもまだ解明されていない部分が多いようで、いろいろな可能性を秘めていますが、一般的には喉を痛める、野蛮な声、汚い声、というイメージがあるようで、あまり積極的に練習したりはしません。

実際、最初の頃は喉が痛くなったり痒くなったりするでしょう。そんな時は休んでからまた次の日にでも少しづつ練習するようにしてください。やっていれば、痛くも痒くもないポイントが見つかります。

ミックスボイスを習得する上でも、地声と裏声のバランスをとるのに重要な感覚を直接発見していく手がかりになるかもしれません。

今よりもっと原始的な時代にはおそらく、仮声帯を使った声をたくさん出していたのでは?

仮声帯を使ってみるとわかりますが、こっちの方が大きな音量が出ます。シャウトなど考えてみればわかりますよね。だから遠くの仲間に呼びかけたりするのに、大昔の人はおそらくこんな声を頻繁に使っていたのではないかと。

人間の声には本当はたくさんの可能性があるのですが、現代の文明社会の中で、言葉しか使わなくなり、大声を出すのは野蛮、というような文化的な抑制も手伝って、どんどん声の可能性が減っているのかもしれません。

僕は特に、現代日本の社会環境、そして日本語の特性からして、日本人は声の可能性を押しつぶしてしまう傾向が強いような気がします。

ぜひ、たまにカラオケで大声を出すことの一環として、喉を傷め無いようにガム音を使ったシャウト、歪んだ声を練習してみてください。綺麗に?喉を傷めずできるようになったら、歌の可能性も広がるし、今まで自分の中に眠っていた”野生”のめざめのような新しい気持ちよさを感じることができると思いますよ!