Hiroshi Yoshida
2016-10-25
音楽においては、感情を豊かに!とか感情的な表現がもとめられることが多いですね。でもそこで困ってしまうことが多い人も事実。音楽と感情との関係を、どんな風にとらえていくのがいいんでしょうか?
どうも、音楽教育の場では感情を込めて!というような指導がよく言われるような気がしますが、感情を込めるってどんな風にしたらいいのか、難しいですよね。
ともすればただの暑苦しいだけのわざとらしい表現だったりしますし、僕は音楽における感情表現というのは”自然に湧き出してしまってそうなってしまった”くらいでちょうどいいと思います。演劇とかだと違うのかもしれませんが。
音楽の音楽ならではの表現、それは”音の調和、リズム”。音そのものが、いい音色になっている、心地よいハーモニーになっている、心地よいリズムになっている、これが一番大切なところなんです。
そこを飛び越えて、無理やり何かを表現しようと思ってもなんだかわざとらしいものになるのは当然。感情だけでは音楽は成り立ちません。
だからこそ、気持ちいい音程で音を出す練習、気持ちいいグルーヴを生み出す練習、というのを経ていかないと、いい音楽はできないんです。
で、どうも生真面目な人はチューナーを使って性格な音程で歌う練習をしたり、ひたすらメトロノームでジャストなリズムを追求したりしてしまいます。もちろん、そういう練習が必要な段階もあります。
でも、結局音楽としての良し悪しを判断するのはあなたのセンスなんです。
あなたが音を発する以上、あなたが気持ちいい!と感じてなければ、聞いている人も気持ち良くないですよ。
あなたの中にある”気持ちいい”という絶対的な基準がなければ、周りに何を言われたって正解は見つからないでしょう。結局は、あなたの中にあるセンスを信じて音を出す以外にないのですから。
音を発するということは、なんらかのフィジカルな要素を必要としますよね。楽器や歌の場合、体の動きがそのまま音に変わるだけ。体が気持ちいい動き方をしていれば自然と気持ちいい音が出る。正解は、体が教えてくれるんです。
心と体は繋がっていて、究極同じようなものだと僕は思ってます。物理学でも、すべては”波動”だというような考え方がありますが、音楽ってまさに波動の芸術。
考えすぎるより、時には音楽の波の上で漂うように体を揺らしてみる。その中に何かヒントが見つかるかもしれませんよ。