Hiroshi Yoshida
2017-01-17
声量がない、歌に迫力がたりない、体をつかって声を出せない・・声量についてのいろいろな悩みについて。いろいろ方法論はあるかもしれませんが、そんなことよりもっとシンプルなこと。
日本人はどうしても、生活環境などで声が小さくなりがちです。家も小さいし、騒音にも敏感。普通にしてれば声が小さくなって当然なんです。
僕もレッスンでは、極力狭い空間でも、外の景色を見ながら”あの向こうのビルをめざして声を飛ばして!”とか言っていますw
それでも、生活に戻ると普段から慣れている音量に戻りがちなんですね。一人で歌う時はなおさら、誰も声の大きさを指摘してくれる人がいないですから、気がつくと小さくなっていたりします。
声の大きさのメリットについては散々書いている通りですが、声量大きくするためにどうしたらいいですか?と聞いてくる人のほとんどが、 そもそも大きな声を出そうという意識が低い、という現実があります。
早く走ろうと思った時、いろんな走り方のノウハウはもちろんあるのでしょうが、そもそももっと早く走ろう、という意識がなければ、自分の体で試行錯誤していくこともできませんよね。
そうしていくうちに、必要な筋肉も目覚めて鍛えられていく。体の使い方を体が掴んでいくわけです。
もちろん、その先にもっと高度なノウハウはあると思いますが、自分の今の普通の状態を超えるためには、ちょっとだけ、今の限界を超えようとしていく努力が必要です。
そもそも喉を潰すくらい大声を出せる人にはこの法則は当てはまらないのですがw
やっぱり喉を締めた状態で強烈な地声を出そうとすると喉をつぶします。力を込めるなら、意識はあくまで 腹圧、丹田。
応援団がよく腰を落とした状態で大声を出していますが、あれも腹圧がかかりやすくなるからだと思います。腹圧を高めることで声帯の閉鎖が強まる?のではないか(仮説)と僕は考えていますがそのいきむ力を利用して声に張りを持たすイメージでしょうか。
というわけで、いろいろなノウハウはあると思いますが、そもそも声の大きさの意識を普段からしてみてください。いつも歌っている歌をあえて、ニュアンスを変えずに限界まで大きな声で歌う練習なんかを取り入れて、それに慣れていくと、普通に歌った時にとても楽に、ダイナミクスの幅もある歌にできるかもしれませんよ。