世界に比べて日本の音楽シーンはレベルが低いとかいう人たちへ。

歌の世界でも良くある話。こういったことを一度は世に問いかけてみたかったので、良い機会として。

音楽の価値は、数字で計れるものでもなければ、比較できるものでもない。

ふと目にしたこちらの記事を読んで思ったこと。うーん、なんだかなあ、という違和感。

世界一流のヘビーメタルを理解した時に初めて、あなたは日本企業のマーケティングの洗脳から解き放たれるのだ。

音楽の趣向なんて文化的な背景からくる個人それぞれの好みの問題なのに、どうしてそれが”世界品質が理解できない感性じゃやばい”ってなるのか。何がやばいのか。何に取り残されるのかw

こういうことを言ってしまう人は大抵、自分の好きな音楽を他より崇高なものとみなして優越感を感じているだけじゃないかと思います。こういう感覚、もしミュージシャンとしてやっていくのならいろいろ問題があるんですよね。

”何から影響を受けたものであれ、自分が発する音を絶対的に信じている”

のであれば、素晴らしいことです。でもミュージシャンでよくある、何かのジャンルやらミュージシャンを崇拝して絶対的に信じて真似しているが、所詮オリジナルほどにはできてない、なりそこないなのに、なぜか自分のやっていることはオリジナルと同じようにかっこいいと信じてしまっているケース。

これありがちなんですよね。痛いです。でも僕もそういう時期があったかもしれないですw 早くこんなレベルの低い感性は抜け出してください。

僕の個人的な音楽歴で言えば、小さい頃は自然にTVで耳に入ってくる歌謡曲を全部覚えていたような子供だったんですが、高校からUKロック、グランジオルタナ、それからヒップホップ、ミニマルテクノからエレクトロニカ、そしてジャズ、ソウル、ブラジル音楽etcいろいろ聞いてきたのちに現在はアイドルの音楽プロデュースなんかもやっているという現状です。音楽遍歴は結構変わっていると思います。

若い頃は自分の聴いている音楽が世界で一番カッコ良くて、JPOPなんてレベルが低くてカッコ悪いと思っていました。おそらく、この記事を書いた人もそういう感性のまま止まっているんじゃないかと思います。

音楽をすこしかじった人に限ってこういう風な感性のままでいる人が多い。音楽って本当に、10代の頃受けた影響を一生引きずるパターンが多いんです。その頃の感受性が一番豊かだから。でも、もしプロでやっていくならそれは問題あるんですよね。それは感性が成長してないということです。

長いこと突き詰めていろいろやっていくと、本当に、ジャンルやスタイルなんてどうでもよくて、全部同じように奥深く、世に認められるところまで行くには相当の努力と運がいると気づかされます。

だからこそ、自然と自分の興味のない分野の人たちにもリスペクトが湧いてくるはずなんです。そこからアイデアを学べることもたくさんあるから。

例えば秋元康さんの作詞のスキルとプリンスの楽曲プロデュースのスキルどっちがすごい?と言われたら、ベクトルが違いすぎて比較しようがないですが、どちらもとてつもないレベルだというのが、突き詰めてやればわかります。

日本人の多くは、そもそも世界基準のパフォーマンスをそんなに求めてません。だから売れないんです。

たしかに、日本のアイドル達の歌唱パフォーマンスのスキルを欧米ポップスシンガーの歌唱パフォーマンスのスキルと比較したら、アイドルが見劣りするというのはわかります。

でも、じゃあなんでアイドルがこれだけ日本に受け入れられるのか?日本人の多くは高度なパフォーマンスを期待しているわけじゃなく、より身近に感じられる“共感”を大切にしているからじゃないでしょうか。

それはむしろ日本人ならではの感性。そして、自分たちでも歌える曲をカラオケで歌いたい。それはそれで他国にはない素晴らしい文化じゃないかと思います。

アイドルのライブなんか見てても、ファンの人が一緒に掛け声とかをやることに楽しみを見出していたりしますよね。それはそれで、独特の楽しみ方ですよね。

そして日本人にとっての歌詞の重要性は前から書いている通りですね。これも日本独特の感性です。

日本人にとって”うた”は言葉。だから歌詞を大切に。

どうだ!うまいだろう!というような歌唱力の押し売りみたいな歌手が売れないのも、共感、歌詞の問題が大きく関係していると思います。だいたいそういう人の歌は歌詞が日本語として聞こえにくいんですよね。

マーケティングの問題で海外のアーティストの素晴らしいパフォーマンスをみる機会が少ないから、日本にそういう感性が根付かない云々の話も分かりますが、世界中の音楽にすぐアクセスできる昨今で、日本人が心から海外のアーティストに感動していれば、YOUTUBEの動画が爆発的にシェアされて広まる、とかそんなことがもっと起こっていてもおかしくないはず。

もっと海外の音楽の良さを啓蒙して広めないと!とか、みんなもっと進んでいい音楽を探して理解しようよ!みたいなことを言う人をたまに見かけますが、なんでそこまでする必要があるの?と単純に思いますよね。ちょっとでも興味もったらすぐ検索できる時代だし、興味ある人は勝手に掘り下げていくんだと思います。結局こういうことを言う人たちは何かを売りつけたいだけなんでしょうかね。

多くの人にとっては音楽より大切なものがたくさんあるんです。たまにテレビで耳にする日本語の分かりやすい音楽をいいなと思って、カラオケでみんなで歌う、それで十分じゃないですか?

結局、海外の方がレベルが高いのに云々、言いたがる人たちは、自分の感性を肯定したいだけなんでしょうか。なんだか、未だに欧米コンプレックスから抜けきれてないだけの人たちに思えてしまいます。”欧米では小麦が主食だからみんな小麦食べないとやばいよ!”っていうレベルの?な話だと思います。”世界品質の音楽は受け入れる側の度量を試されるものなのだ!”とか言われるとなおさらひきますよねw 音楽ってそんな気負わなきゃいけないもんじゃないと思います。

そもそも、日本で音楽を生業としているのならば、日本人ならではの感性を研究しつくして理解して尊重できていなければ、マーケティングもクソもないですよね。ていうか、現場で本当にやってる人ならこういうことはわかりきってるはずです。

日本の音楽シーンが世界で戦えない云々、いろいろ言われていますが、まあそもそもなんで戦う必要があるの?っていうのと、音楽って別に戦いじゃないしってのと、思うところがあるんですが、僕はこういう人たちが外野から言っているのとは違うところに、日本の音楽が世界で受け入れられる道筋があるような気がしています。

だから日本人は海外のスタンダードに合わせていく必要はないと思う。それこそ、”何かのなりそこない”で中途半端になってカッコ悪い。もっと独自の何かが勝手に現れて、見出されていって欲しい。そのくらいの強さを持って、日本人独自の感性を高めていく方が世界的に見ても面白いはず。

自分も微力ながら、そんなことを信じて、より良いものを作っていけたらと思います。

あ、最後になりましたが、僕も久保田利伸さんのツアーに参加させてもらった時、MCで”Rainにまつわる名曲ってなんかある?”と振られてプリンスの”Purple Rain”を一節歌わせてもらったくらい、プリンスは大好きですよw

2016-05-18T13:42:23

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