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1回のライブにどれだけの思いを込めて準備できるのか。

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Hiroshi Yoshida

2019-05-14

たとえ何回めのライブであったとしても、その一回に込めた熱量は自ずとオーディエンスに伝わるもの。限られた人生、限られたチャンス。その一回をどれだけ密度の濃いものにできるかで次に繋がるものが変わってくる。

セッションライブを繰り返してきたからこそわかる、準備の大切さ。

先日のゲネプロの話とも通じるかもしれませんが、やっぱり相当な実力のプロになったとしても事前に何をやるかということを練っておくことはプラスになると経験上思います。

ジャズやソウル系で、バーで生演奏をするようなタイプの音楽というのは、その日のリハーサルで初めて演奏してそのまま本番というのが普通。そしてそれを日常的にやっていくというスタイルなので、ジャムセッションのようなその場限りの音楽に対応できるくらいのアドリブ力が身につく。

それはそれで文化としていいと思いますが、やっぱり経験的にどうしても惰性的になりがちな側面はある気がしてて。相当なプロであっても、その一回のライブに魂を注ぐという意識でできる人はほんの一握り。小箱で日常的に行われるようなセッションライブでは、やっぱり特別な一回のステージだ!という意識で望める人はまれだと思います。

僕もメジャーのアーティストのツアーに参加するまで、メジャーなアーティストのライブがどういう風に作られていくか知らなかったのですが、長いツアーなら1日6,7時間のリハーサルを2週間くらいかけてみっちりやるというのは割と普通です。で、この話をみんなにするのですが、アマチュアで、一回のライブのためにそれだけ内容を練って、さらに練習している人たちってそんなにいない。そりゃプロにかなわないよね??っていう話です。

プロは時間があるから、お金があるから、というのはもちろんそうですが、アマチュアでお金もないからこそせめて時間を取るなりしてそれだけ内容を詰めなければいけない。さらにプロほどの訓練も積んできていない場合がほとんどなのだから、練習もしなければいけない。

もちろん、各々抱えている事情はあるし、いろんなやり方があっていいと思いますが、一つの基準として覚えておいて欲しいのは、超一流のプロが何十人と集まったチームで、そこまでやって初めて一回8千円近くするようなライブのパフォーマンスが出来上がってるんだという現実。

いろんな面で負ける部分が多いだろうけど、それだけの気持ちはどこかに持っていて欲しいなと思うわけです。そしたら自ずと、もっとよくできる方法は?ということを考えて実行するマインドになるのではないでしょうか??

やったらやっただけのことは必ず伝わる。

結果がどう出るかはわかりませんが、僕個人の経験から言っても、やったらやっただけのものは必ず伝わっている、ということを実感として強く思います。必ずそれを見ている人がいて、伝わっている人がいるんです。

どうせ見てないから、という意識、いやいややっている、なんとなく惰性でやっているという意識は確実に伝わっています。それでも何かしらの魅力があるうちはいいのですが、ずっとそうしていると下降していくのは目に見えています。

モチベーションを保てないとしたら、何か新しい視点で、興味をもてるような曲なり演出を考えて見たり、いろいろなものを見聞きしに行ってインスピレーションを得たり、時にライバルと思えるようなアーティストに刺激を受けたりし続けて、創作意欲というのは維持できるもの。

やりつづければ、かならず、この人はこれをやりつづけてきたんだな、すごいな、と思われるような領域まで到達できると思いますよ!!