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ボイトレの基礎。腹式呼吸??横隔膜呼吸法をマスターする方法

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Hiroshi Yoshida

2015-07-07

ボイトレを習うと一番にやることに

複式呼吸

ってのがありますね。たぶん学校の合唱の授業なんかでも習うんではないでしょうか。

そもそも腹式呼吸って何?

呼吸は肺でしかできないので、お腹に空気を入れることはできないんですが、あくまで意識として、息を吸う時にはお腹の風船に空気が入っていくように、お腹を膨らませて、吐く時にはお腹をへこますこと。

これは、腹腔内圧(腹圧)の関係と混同されているのでとてもわかりにくいですよね。

これで何が起こってるかというと、肺の下にある横隔膜という筋肉が、肺の収縮をサポートしてより深く息を吸ったり吐いたりできるようになるんです。

要は、お腹っていうより横隔膜が大事ってこと。

お腹をつかおう!!といういうと、腹筋を鍛えなきゃ!とかいう人もいるかもしれませんが、実際のところいわゆる腹筋運動で鍛えられるのは6つに割れる腹直筋ですが、呼吸に対して腹直筋はあまり意味がありません。むしろ背筋が大切です。こちらの記事も参考に。

偉大な歌手は背中で歌う。

でも確かに、最初は横隔膜を動かすという感覚がわかりにくいので、お腹を動かして一緒に横隔膜が動いている感覚から始める方法が一般的。こちらの記事もぜひ。

横隔膜でビブラートのやり方。

でもやたらお腹を意識して膨らましたりへこましたりしようとすると、早いフレーズの継ぎ目などでブレスが付いてこなかったりすることもありますよね?

その腹筋の意識はあまり必要ないんです。呼吸するのはあくまで肺で、それを支えるのは横隔膜ですから。

その息の量を調節するために、横隔膜を使えるようになろうね!ということです。

ビブラートを深く、心地よくかけるためにも横隔膜を動かす感覚は必要。でもとりあえずは、一般的な腹式呼吸のこういう練習で徐々に感覚をつかんで行ってください。

この基礎的な感覚が身についたら、歌っている時も常に横隔膜で息を丁度いい量吐き続ける、という”息の支え”を意識してみましょう。安定した息をコントロールできるようになることは、音程を保ったりすることにも役立ちます。

さらに!!横隔膜の効果は喉頭の引き下げにも有効??という記事。パワフルな高音が欲しい人はこちらもぜひ。

腹式呼吸の効果は、息のためだけじゃない!!

究極的には、歌っている時に呼吸法の意識は必要ない??

呼吸法についてはいろいろな考え方があって、不自然な腹式呼吸の練習が不自然な発声方法につながるという考え方もあります。僕もどちらかというとそう思います。

腹式呼吸をやたら強調する先生の生徒などを見ていると、やたら息を吐くことで声を大きくしようとする人が多いように感じます。精一杯毎回呼吸してるーって感じで歌うんですね。

それはそれで、それで本人が心地よいのであれば、一生懸命な感じがあったりしていい部分もあるでしょう。

でも僕の感覚では、声が響いてて気持ちがいいなー、いい声が出てるなーという感覚は、そういう感じとはちょっと違います。むしろとっても楽に声が出てるけど響いてて気持ちいいなーという感じです。

息というのは、すこし余裕があるくらいでないと、フレーズの切れ目で伸びが足りなくなったりしますので、余裕のない歌に聞こえます。それを狙うならいいと思いますが、必要以上に腹式、複式、お腹をプッシュプッシュ!と意識することはないですよ。

あくまであなたの声の出方に集中して、無理なく気持ちいい歌を目指しましょう。

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