Hiroshi Yoshida
2017-02-07
教育やスポーツの分野でも、集中力の大切さが言われて久しいですが、僕もちょっと飛躍して、いわゆる芸術における”センス”というのも、広い意味での集中力が鍵を握っていると思っています。
ちょっと昔に流行ったフロー理論というのがありましたが、改めて記事を読んで勉強になったのでシェア。
「フロー体験」理論のあまりの凄さに戸惑いを隠せない:YLOGオルタナティブ:オルタナティブ・ブログ
こちらの記事を改めて読んでみてとても勉強になったのでシェア。特に、自分の心理的エネルギーが100パーセント注がれている状態になるための要素として
①自分の能力に対して適切な難易度のものに取り組んでいること
②対象への自己統制感があること
③直接的なフィードバックがあること
④集中を妨げる外乱がシャットアウトされている。
という状況が必要、というのは納得。
歌の練習をしていたり、レコーディングをしてるとああ、ここの部分のこのフレーズがどうしても難しい、となると何回も練習してしまうことがあるのですがそんなときはまさにクリアできないゲームができそうでできない!ウキー!!みたいな状況でハマりますよね。
でもそんなときが一番楽しいし、成長している。
でさらにいうと、クリエイティブな作業においては、③の直接的なフィードバックを、何に求めるかというのが大切だと思うんです。
ゲームだったら、このステージをどうしてもクリアしたい!というように結果がわかりやすい。スポーツでも、距離や、スピードや、強さ、という基準がわかりやすい。
でも、こと芸術に関してはそういう基準が結構曖昧ですよね。
だから、先生やプロデューサーについてもらって、今のよかった!今のは惜しいね・・とか言ってもらえるとハマる人が出てくるし、自分でも今のはできた、できなかったというのがわかるとますますハマってもっとやりたくなる。レッスンしているとそういう状況になるのがわかります。
でやっぱり、芸術で伸びるかどうかって、その自分の価値基準が明確にあるかどうかがとっても大切なんだと思います。自分で今のが良かったか悪かったか判断できるようになれば、いくらでも一人で練習できますからね。
最初は単純に、もっと誰かみたいに歌いたい、この部分でコブシを回したい、このフレーズを音程外さず歌いたい、とかそんなことでいいでしょう。
でも歌ってたら、今のは気持ち良かった、とかなんか苦しかったとかわかるようになってくる。そうすると自分の体がどう動いているのかということに意識が行くようになる。
これが②の自己統制感の芽生えかもしれませんね。
そういうサイクルができてくると、気がついたら練習だけで数時間すぎてた!とかそういう夢中の状態になれます。そんなことの積み重ねが、人が一番最短で成長する方法だと思うんですよね。
記事の中盤、子供には何が必要か?という部分で、現在へのフォーカスが大切ということが書かれていて、改めて納得。
夢中になることは、当然”今”しかできません。今目の前にあることに全身全霊で取り組むこと、それ以外に成長する方法はないってことですね。
これはメンタルのトレーニングなどでもよく言われること。未来のことをあれこれ悩んだり考えてみたりしても、結局今からの延長でしかない。
もちろん長い年月をかけて取り組まないとできない仕事はたくさんあるので、そのためのビジョン、プランは必要だと思いますが、悩むだけで目の前のことに何も取り組めていなかったら本末転倒。
そして、僕の経験からも、大きな目標に向かって何かに夢中で取り組めているときが一番人生が充実しているように感じます。そうすると、今たとえ理想の状況にいないとしても、未来が信じられるような気がしてきますよね。
というわけで、みなさんも、フロー理論を参考にいろんなことにチャレンジしてみてください!