title image

作詞も作曲も、大切なのは”編集力”。

image

Hiroshi Yoshida

2018-05-29

作詞作曲で行き詰まる、という相談のなかでもありがちなのは、あれもこれも詰め込もうとしすぎて、結局何がしたいのかわからなくなるパターンで・・

モチーフは絶対に死守。それをいかに伝えるかの勝負。

いろいろ作ってると、あ、この曲最初ああいう風にしようかとおもってたけど、やっぱり違うあんな感じにしてみたらどうかな?

とかおもってしまうことありますよね。とくに行き詰まった時にそういうことを考えてしまったりします。

そして作業を進めていくと、僕の経験上ほぼうまくいかないです。なぜなら、一番大切なモチーフがなくなっているから。

古典的なクラシックの作曲でも、モチーフを延々と変形させていく形式がありますが、そのくらいモチーフ、つまり曲を作ろうと思った最初のアイデアというのは大切。

最初に鼻歌で浮かんだメロディなのか、ふと思いついたキラーワードなのか、わかりませんが、それがきっかけで曲を作り始めたなら、それをなんとか形にするまでは変えない方がいい。

そして曲をこねくり回すのもやめた方がいい。もとのアイデアのここはいいんだけどここが気に入らないからとかいろいろやってたら素のアイデアもなくなってる、

そんなことなんども繰り返すうちに、アイデアの引き出しは増えると思いますが、だいたいその作品はうまくいきません。

モチーフがあって、それを形にするまでに鮮度を保って、スピード感を持って作業できるか?というのも、作曲のスキルの一つ。途中で行き詰まるくらいなら、まだまだいろんな面でのスキル、引き出しの語彙が足りないんだと思って諦めて次に行くのもよし。

そういうことを繰り返すうちに、頭の中が整理されてまたそのアイデアが違う形でどこかにはまったりしだします。

そうしてすべてがぴたっとハマった瞬間にいい曲ができているような。つまり、練習して、自分の血となり肉となり、消化されたアイデアだけが使えるから、それがないうちは試行錯誤の繰り返ししかないってことかと。

だからこそ、最初は勉強の意味でもコピーがいい。

手取り早く作品を形にして、作曲のプロセスを学ぶなら、まずなんらかのテンプレートをお手本にして作るのが早いですね。

最初はアイデアもなくて当然なので、気に入った曲をひたすら真似してみるのもいいと思います。

今はネットに機材の情報もいくらでも落ちてるので、圧倒的なスピードでそれらしくできるジャンルもあると思いますが

やっぱりそれなりにプロのようなクオリティにするには時間がかかることに気づくでしょう。

ネタがたくさんあっても、結局は何を伝えたいか?という編集の力が大切。そこにこそ作り手のセンスが出るのだと思います。