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隠しているあなたにこそ、輝くものがある。

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Hiroshi Yoshida

2015-11-26

不思議なもので、ステージに立って歌うなんてそれだけで相当恥ずかしいことなのに、その後に及んでこんな曲は恥ずかしいとか、こんな歌詞は恥ずかしいとか、そんな感覚がじゃまして、どうも自分をさらけ出せてないなーという人は多いです。

アーティストとして活動してるのに、いまいち吹っ切れない人にとって、いちばん足かせになっていること、
それは “恥ずかしい”という感覚。
不思議なもので、ステージに立って歌うなんてそれだけで相当恥ずかしいことなのに、その後に及んでこんな曲は恥ずかしいとか、こんな歌詞は恥ずかしいとか、そんな感覚がじゃまして、どうも自分をさらけ出せてないなーという人は多いです。
そういう自分もかつてそうだったのでとっても良くわかります。さらけ出すのが怖いので、いわゆるかっこいいとされるアーティストのマネばかりしてしまったり。
僕の「アイデンティティ」という曲で、 “借り物のスタイル着こなしてただ空っぽの自分隠してる”という歌詞を書いたのですが、まさにそういうこと。
でも実際には、空っぽの人なんて一人もいなくて、 あなたが経験してきたこと、あなた自身の持っているものの中に、みんなが共感してくれることや、感動してくれることが必ずあります。
口にするのは恥ずかしいような経験だったり、失敗、つらかったこと、そんなことを口にしてみると、意外にみんな似たようなことを経験していて、それが深い共感を生むということがあります。みんな結局同じなんですね。
技巧的な部分にばかりこだわって、内容が伝わってこないみたいなのは、相当なレベルな技巧なら興味をもってもらえるかもしれませんが、中途半端だと何がしたいのか全くわからないつまらないものになりがちです。
そうなるくらいなら、あなたの人となりが伝わるような、パーソナルな経験をシンプルに歌詞にしてみるとか、そういう方が共感を得たりしますよ。
また自分の曲で恐縮ですが、僕もかつては、恥ずかしさもあって歌詞を抽象的に何を言いたいのかはっきりとはわからないような感じで書いていたのですが、『Day by day』という曲を作った時に、その時の焦りや苦悩の気持ちをストレートに表現してみようと思って作ったら、いろんな人に共感してもらえて、この動画が結果として後に大きなチャンスをいただくきっかけになりました。

もちろん抽象的な歌詞でもいいものはたくさんあります。要はちゃんと伝わるものになるかどうか、という問題ですね。