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モチーフは名曲の原石。迷っても手を動かしていけば必ず形になる。

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Hiroshi Yoshida

2015-12-14

作曲をするうえで、最初のアイデア、つまりモチーフというのはとても大切です。モチーフがその作品の核心であり、それこそが言いたいことであるべきだと思うからです。

しかし、いろいろとトライしていると、最初はいいとおもったモチーフが作っているうちになんだか飽きてしまったり、途中でやめてしまいたくなったりすることは良くありますよね。

そんな時でも、経験からいうと、とりあえず人に聴かせられる形までは勢いで作ってしまったほうがいいと思います。

なぜなら、作っているうちになんとなく形が見えてきて、思いのほか良いものになったりもするからです。

モチーフであるうちは、いわば絵に描いた餅。具体的に形にするということこそが作曲家、プロデューサーの仕事であって、こんな感じとかあんな感じと言っているだけの人はディレクターでいいのです。

つまりその、 ”手探りでも最後まで形にするスキル”こそが、クリエイターのスキルであり、価値なので、そのスキルをいつも磨いておく意味でも、些細なモチーフからでも最終形まで持っていく意識というのが大切なんです。

どんなベテランのクリエイターでも、最初から完璧に完成形をイメージしてできるわけではありません。あまりやったことのないテーマの依頼があったり、未知の楽器を使ったり、毎回なんらかのチャレンジングな要素がある場合も多く、そこは手探りで乗り越えなければならないのです。

僕もかつては作りかけて完成させられないままの曲の断片を山のように溜め込んでいた時期がありました。今考えれば、すこし完璧主義すぎて細かいところにこだわりすぎていたと思います。

こだわりも大切ですが、とにかく自分の中で引っかかるものが表現できていれば、とにかく前に進んで形にしてみる。その過程で、いろんなアイデアが湧いてきて、より良いものにできる可能性もあります。

そうして完成したものをどんどん人に聞いてもらう、そうすることでスキルも上がるし、チャンスも広がっていきますよ。