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バンドに楽譜を渡せるようになろう。

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Hiroshi Yoshida

2017-03-22

さて、4/12のJ-POP JAMに向けて30曲分の譜面を書いているのですが、まあ30曲もあるとなかなか終わりませんw。おかげさまで楽譜を書いたり、J-POPの名曲を分析したりするいい機会になっておりまして、また音楽を演奏するのが楽しくなりそうです。

楽譜の良さは、知らない曲をすぐプレイできること。

昔は録音することができなかったので、音楽を形として残しておくという重要な意味が楽譜にあったのかもしれませんが、今や録音されたものを聞くことから得る情報の方が圧倒的に有利なので、そのような楽譜の使われ方は重要ではなくなっていますね。

POPSの世界では、楽譜は必ずしも必須ではないですし、バンドのカルチャーの中でも、気心知れたバンドメンバーと話し合いながら、ひとつひとつ展開を覚えていきながら曲を作っている人たちも多いと思います。

僕もどちらかというと、音楽そのものを体に叩き込む方が本質的だと思うので、そういうやり方に賛成だし、自分もそうしてきたことの方が多いのですが

楽譜に触れるようになって、知らない曲から何かを発見したり、いろいろな人と一緒にプレイする機会が増えたり、音楽的な対応能力は格段に上がる気がします。

そうすることで、より良いアイデアの種を吸収することができ、それをまたバンドメンバーに楽譜で伝えられれば、リハーサルがスムーズに進んで、結果としてライブがよくなる。

そういうことは以外と見落とされがちですが、効率、という意味だけではなく、限られた時間の中でいかに良いものを作り上げるか、という意味で、プロになるなら絶対にあった方がいいスキルだと思います。

リードシート、コード譜面、マスターリズム譜、いろんな呼び方があるけど。

というわけで、じゃあ実際みんなどんな楽譜をやり取りしているの?と思われるでしょう。みなさんは普通に楽譜というと、ピアノの楽譜みたいなのをイメージするのかもしれませんね。

おたまじゃくしがたくさん並んでいるあれです。でも、J-POPの現場では、おたまじゃくしは必要なところだけ入っていて、主にコード進行を見るためのリードシートというのが使われます。

だいたい、A4の見開き2枚サイズでおさまるくらいで、一段に4小節づつ書かれているものが好まれているように思います。

その一枚だけ開いていれば曲が最初から最後まで追えるので、途中でページをめくったりする必要がないところが肝。

メロディの音符とかは書いてないのが普通。キメのリズムとか、コードの変わるタイミングとかはリズムスラッシュで書かれていたり、ここはフレーズが必要!というところだけメロディが書いてあったりします。

そこからプレイヤーの人はいろいろなことを読み取って、あとはだいたいの雰囲気でw 自由にプレイするんですね。

プロ中のプロでも、フレーズを指定しすぎると嫌がる人も。

ここが難しいとこなんですが、やっぱり楽器のフレーズというのは、それぞれの楽器プレイヤーの人の方がたくさん知っているし、良い流れを考えてくれるものだと思います。

ギターやベースの細かいフレーズまで指定してレコーディングするケースもあるでしょうが、おたまじゃくしを見ながらその通りのフレーズを弾くのに慣れていないプレイヤーはプロでも多いですので(偏見?w)

コードだけ指定して、あとはお任せした方がいいと思います。そのために、ここだけはこう弾いてくれ!という指定を書き込むんですね。

ピアニストさんだと、おたまじゃくしがないと弾けないという人もいますが、J-POPのプレイヤーはどちらも出来る人が多いような気がしますね。やっぱり幼少の頃クラシックから入った人が多いからでしょうか。

そういう個々のプレイヤーの気持ちを考えながら、なるべく読みやすい譜面を用意するというのも、結果の仕上がりに大きく左右したりします。レコーディングでも、ライブのリハーサルでも一緒ですね。

だから、もしあなたがサポートのプレイヤーさんと一緒にライブをやる機会があったら、楽譜について何もわからないなら、中途半端なものを用意して渡すよりは、わからないということをちゃんと伝えて話し合ってから一緒に譜面を用意しましょう。

僕も昔はいろいろな人にお世話になりながら楽譜を用意してもらってきましたが、わからないのに自分で書いていくとだいたい何か間違ってたりして、余計混乱をきたしたりw 読みにくくて結局書き直されたりしますので、きちんと最初に相談するのがベストですよ!