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プロのミュージシャンを続けるなら”ゆるーくやってまーす”では厳しい。

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Hiroshi Yoshida

2015-12-29

アルバイトなどしながら、うまくいったらプロになれたらいいな、と思いながら”ゆるーく”活動してるミュージシャンってたくさんいますよね。そういうスタンスでいると結果としてどうなるんでしょうか?

僕もそういう時期もあったので、気持ちはわかります。本当は熱い気持ちを秘めていたとしても、それを大っぴらに出すのが恥ずかしい、なんとなくやってる風で成功したい、特に若いうちはそんなに将来に不安もないでしょうから、余計そういうゆるいスタンスになってしまいますよね。

しかし僕の経験からいうと、そういう人が成功してプロでやり続けられているという例は見たことがありません。なぜなら、音楽やエンターテイメントの世界というのは志望者が常に溢れかえっているので、よほどのずば抜けた才能や実力、もしくは相当なキャリアがないかぎり、もっとやる気がある人がどんどん出てきてあなたの席を奪っていくからです。

おやじくさい意見かもしれませんが、僕の経験から言っても、フリーターなどで、将来の見えない形で音楽をだらだらとやり、それでプロになれたらいいなーというようなスタンスでの活動はやめたほうがいいと思います。プロを目指してやるならやっぱり相当な覚悟で、相当努力しないと難しいです。

でも、もし就職していて、とりあえず趣味半分でやるというスタンスなら、まちがってチャンスが来たらプロになれたらいいなーと思いつつやるのもアリだと思います。そうやって心にゆとりがある方が続けやすいですし、仕事とのメリハリで余計やる気が出て集中力が増したりするケースもあります。

実際僕もフリーターだったときより就職した時の方が、お金に余裕もあって機材も買えたし、会社が残業を強要されるようなところではなく、自分の時間をコントロールできる職場だったので毎日練習できました。社会性も身につくので、ある程度の年齢になったら就職した方が絶対いいと思います。

ただ、東京で実家に住んでいる人というのが例外で、場合によっては結構な年齢まで親に文句をいわれながらもあまりバイトもせず音楽に時間を割けることが競争力になって成功する例があります。

これは地方組からすると本当に悔しいことですが(笑)実際そうやって成功している関東周辺出身のミュージシャンは結構たくさんいます。どうしても音楽の仕事というのは東京が中心に回っているので、羨ましい限りですね。

なのでもし家が裕福でずっと仕送りがもらえるとか(これも相当羨ましいw)そういう環境にいるなら、そこにちょっと甘えて生活させてもらい、でもマインドとしては絶対にプロになる、成功して恩返しする、という気持ちで取り組むのもアリだと思いますよ。

いずれにしても、若いうちしかできないことを、悔いのないようにやりきっていく人生の方が、もし失敗したとしても次につながるものが得れると思います。”ゆるーく”で一生なにも問題なく暮らせる自信のある人はそれでいいかもしれませんが、毎日何かに熱中して生きられる方がきっと充実感があるのではないでしょうか。