“POPS”だけは、ジャンルではない。


世の中の数ある音楽のジャンルやスタイル、そんな中の一つとして”POPS”というのがあるように思えますが、実際”POPS”というジャンルだけは、そもそもジャンルやスタイルを指していないと思っております。

あらゆるジャンルやスタイルを超えて、みんなが聞けるような音楽だよ!という意思表示がPOPS。

とあるジャンルで有名な大御所先輩に、お前は何かが流行ったらそれにすぐ乗っかるようなタイプだな!と冗談交じりに言われたこともあるんですがwある意味僕はそうなのかもしれません。自分ではそれがそんなに悪いこととも思ってないし、自然にそうなっているのですが。

特定のスタイルやジャンルにこだわってやり続けることがかっこいいという価値観もありますね。それはそれで、何かを突き詰めた先での発見があるのかもしれません。

しかし、大抵そういう人に限って、そのスタイルを自分で発明したわけではなかったりします。

何かのスタイルを自分で見つけた、作り上げた人は、それが何かのフォーマットになって普及することを望んでつくったのでしょうか??

いろんなことを自分なりに試行錯誤した結果、それがかっこよかった。気持ちよかった。だからそうしただけの話。

それをいろんな人が真似していく段階で、いや本物はそうじゃない、とか言い始める。本物じゃない人に限って。

もちろん、何かのスタイルが普及して、それがみんなの共通言語になって、その共通言語があるからこそ伝わりやすい表現が可能になることもありますから、全く悪いことではないと思います。

でも常に、新しい挑戦者たちがさらに何かオリジナルな物を足していくことによって芸術は進化してきたのではないでしょうか。

僕は昔から、”俺の音楽は吉田博というジャンルだ!!”と言い張ってきましたw 少し普通と違うようなものでも、そうやって自分の中で完成されたスタイルを貫いた方が結果も良い気がします。

僕が昔から嫌いだったのは、何かのジャンルにカテゴライズされること。

僕の音楽遍歴は変わってるのですが、昔から何かのジャンルの枠にはめられるのがとても嫌でした。

その反動として、やることをころころ変えてきたというのもあると思います。カテゴラライズされると、吉田くんてアレ系でしょ?みたいにそこで全部理解されたような気になられるのが悔しかったというか・・僕はこんなこともあんなことも考えてるし、なんだってできるんだぜ!という自由さを常に持っていたい。

それは昔DJをやっていた経験が大きいと思います。DJって細かいジャンル分けがすごくて、ハウスの中でもなんたらハウスとかいっぱいあって、テクノの中でも微妙に色が違ってたり、それによって個性が分かれてたし、ある種統一感を出すためにはその枠から大きく出ない選曲を求められるようなところがある。

でもなんかそういうのつまんねーなとずっと思ってて、テクノの人が急に他のジャンルのとつないでもいいじゃんとか、(でも実際はBPMが違ったりしてやりにくいんだけどw)そんなことを思い始めて、いろいろ試行錯誤したりしてました。

で多分僕がDJをやってた90年代後半から00年代初頭くらいには、いろんなジャンル間のクロスオーバーみたいな流れが出始めたころだったのか、ロックにテクノの要素を入れたデジタルロック(死後w)だとか、ヒップホップxダブのトリップホップだとか?エレクトロニカとか?まあいろんな人たちが出てきてた。

で、そんな流れのなか、世界的にメジャーなアーティストのビョークが、エレクトロニカを大胆に取り入れたアルバムを発表して、それがとてもかっこよかったんだけど、そのCDのジャンル名に”POPS”って書いてあったんです。

で僕は思いました。

ああ、”POPS”ってなんでもありじゃん。
俺”POPS”やろうと。

クラシックやジャズやソウルやブルースやロック、フォーク、あらゆる民族音楽や現代音楽の要素すべて入ってても全部”POPS”でひとくくりにできる懐の深さ。

ていうか、音楽って本来そういうものなはず。そのくらい自由でいいはず。ただ世界中のどんな人にも聞いてもらえるものですよ!っていう意思表示さえあればそれは”POPS”。

素晴らしいジャンル名だと思いませんかw

今でも何系、何っぽいってのはたくさんあるけど。どこかに偏りたくない。

今もJ-POPの世界に関わっていて、その中でもシンガーソングライター系だったりダンス系だったり、歌うま系だったりアイドル系だったりアニソン系だったり、分けようと思えばいくらでも分けられるけど、それらをジャンルによって分けてどうのこうのいうのは僕は極力したくなくて、すべてフラットに良し悪しが判断できるようになりたいと思ってます。

そんな人間の趣向のちょっとした違いなんてどんぐりの背比べ程度の違いしかない。そんなことで人々が分かり合えないとしたら、そりゃ戦争もなくならない。

自分のルーツに根ざした、自分の得意な感じってのはどうしてもあるし、それは一生変えようのないもの。流行り廃りや環境の変化がどうであれ、そこには誇りを持って、自信を持ってやり続けていくしかない。それは誰しも同じ。

だから常にオープンな心で、音楽を聴き、発信していきたいと思ってます。そんな時に、どんな音楽聞くんですか?どんな音楽やってるんですか??と問われたら、

ええあえて言うなら”POPS”ですね。

と答えたら便利ですよw

この記事を書いた人

吉田 博
吉田 博
2004年、早稲田大学政治経済学部卒業後に歌を志す。メーカー営業マンとして働く傍ら2010年久保田利伸全国ツアーのコーラスメンバーに選出され脱サラ。楽曲提供、全国全都道府県ギター弾き語りツアーなど敢行。西野カナ"Dear Bride"、"Esperanza"、"beloved"他多数作曲(共作)、AKB48"M.T.に捧ぐ"作編曲、乃木坂46”光合成希望”作曲、XOX"ダイジョーブ"作詞作曲編曲など楽曲プロデュース。久保田利伸、嵐、堂本光一ツアーなどにコーラス参加。
 
LIVEARTIST代表。
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