Hiroshi Yoshida
2016-01-18
歌が苦手な人が一番ぶつかる壁、それは音程が取れないこと。
音痴、といっても音程だけの問題でない場合もありますが、今回は音程、ピッチを正しくとれるようになる為にどうするか。
音感の問題ですが、正しい音がどこかそもそもわからないという人はそこから認識していく必要があるんですが、僕の経験では正しい音がわからない、という人はほぼいない?と思っています。
そもそも論ですが、正しい音がわからないという人は音楽の美しさすらわかってない??ということになります。
ただ自分が歌ってみたときの体感として、これが正しい音程だな、気持ち良い音だな、という感覚を感じた経験が少ない為にどこに向かって歌って良いのかわからない、音程をコントロールする筋肉の使い方がわからない、という状態になっているのではないでしょうか。
ある先生は、音程が取れない生徒にバケツを被せて歌わせるトレーニングをするそうですが、あながち間違いではないと思います。要は、ごく閉じた場所で自分の声をちゃんと聞こえるように歌うことで、自分の音のズレをはっきりと認識させるということです。
練習する時に、できるだけ響きのないところで練習した方がいいのはこの為で、自分の音がはっきりとドライな状態で聞こえる方が、音程に関してもごまかしが効かなくていい。
僕は小さい頃、家族に歌ってるのが聞こえるのが恥ずかしかったので、押入れの中に入ったり、布団をかぶったりして歌っていましたが、今考えるとそれが自分の音程をきっちり聞く感覚につながったのかな?と思っています。とにかく自分の音をシビアな環境でちゃんと聞いてみてください。
当たり前ですが、音程が綺麗に出ていると、周りの音と綺麗にハモって気持ち良いんです。それが一番大事なことなんです。
自分の歌を聴くだけでなく、周りの音も聴いて、音程がおかしければ修正する、ということをリアルタイムでやっているのが歌です。
それを繰り返していくうちに勘ができて、最初から目的の音程にポーンといけるようになっていくのです。
自分の音が聴けていないということは、前が見えてない状態で車を運転するようなもの。聴くことからすべてが始まります。
そして、最近では携帯などで気軽に自分の声を録音して聴けますので、ぜひ積極的に録音して練習しましょう。
最初は自分の声を聴くのがいやでしょう。みんなそうです。骨から伝わっていつも聴いている自分の声と、外にでている声は結構違います。その違和感から自分の声が嫌いという人も多いでしょう。
でもこれは慣れです。聞きなれていけば普通に聴けるようになります。ぜひ、早いうちから録音した自分の歌を聴いてみて分析してみましょう。
ただし、やっぱり声を出している瞬間に自分の音の良し悪しがわかるようにならないと意味がありません。
なんでもかんでも録音して聴いてみるというのも慣れるまではいいですが、そうすると歌っている時間と聴いている時間2倍時間がかかるわけです。
歌っているその時に良し悪しを判断して、失敗したら反省する。そっちの方が効率がいいですよね。大昔は気軽に録音なんてできなかったはずなので、みんなそれで判断していたはず。
それか一番いいのは、やっぱり人に聴いてもらうこと。自分で判断する以上の発見があったりもしますので、定期的に人に見てもらうというのが大切ですね。レッスンに通うのもいいですよ。
音程が全てではありませんし、表現としては、気持ちが入りすぎてちょっと音程が上ずってしまったりするのも全然ありですが、大筋で正しく歌えてるからこそ、そういう部分が引き立つのであって、ほとんど音程外している人がやっても何の説得力もありません。
ただ最近はリラックスして、音程をあまり意識せずとも、周りの音と同調して自然に歌っていれば、ほとんど外れることはないし、より良い歌になるんだなと感じています。
音程に関しても、あくまで体の感覚が大事。自分が気持ち良いというポイントがきっと正しい音程になっているはずですよ。