Hiroshi Yoshida
2018-09-01
ボイストレーニングの世界では、いろいろな用語、いろいろな流派?いろいろなメソッドがあって、それぞれ全く違うことを言っていたりするが実は同じようなことを指していたり、ということもあって混乱しますね。
これは僕が最近もっぱら指導していることなんですが、喉を開くということは主に、共鳴腔を広げるとかいう意味で必要とされるとする人が多いですけど
僕はあんまり共鳴ということは考えたことがなくて、あくまで声帯をコントロールする上で、喉を開くことによって声帯の伸展が起き、裏声のコントロールが楽になって音域の移動が楽になったりしているのではと思っています。
以前も紹介したこちらの解剖学的な喉を開く動き
ここでは、そういうことは語られていませんが、喉を開く動きの模範としてよくやる”あくび”では裏声が出やすくなる”ふぁーーああ”みたいなイメージわかりますよね??
喉のスペースが広くなることによる音の変化ももちろんあると思いますが、声帯が引き伸ばされることによって無理のない、ゆとりのある声帯の鳴りが可能になって、一般的に良いとされる声につながるのかなあと思っています。
あとは開くといったときにどっちの方に開くのか?によっても意味合いが違うような気がしますね。
開くというと下に引き下げる方を強くするイメージを持っている人もいるかもしれませんが、(いわゆるペルカントっぽい歌い方)そっちの方じゃなくて、特に上の方、軟口蓋をあげるとか、の方に開くイメージは、声帯を伸展させるイメージに近い気がしてます。
ざっくりいうと、声帯は伸展させる方向と、閉じる方向に動かすことができて、伸ばす方が裏声系、閉じる方が地声系。その両方をバランスよくつかえたらいわゆるミックスですね。
で、基本的には歌う上では裏声がベースにあった方がいいと僕は解釈しています。裏声の土台の上で音程を取り、その声をいかに閉鎖させて強くするか。そのバランスが一番難しいところですよね。
だから一般的に地声の音域、とされる部分でも、優秀なシンガーは100%の地声では歌っていないと思います。
歌は裏声と地声の使い分け、統合が一番難しい部分。自由自在に使いこなして、鳥のように歌いたいですね!!