Hiroshi Yoshida
2018-01-24
作詞について、僕は何かで学んだりしたことはほとんどなく、思いつくままに書いてきた方ですが、改めて有名なアーティストの歌詞を分析しているといくつか思うところがあったのでまとめてみました。
歌の歌詞のテーマって大体時代も場所も超えて大体同じ。恋愛だったり、勇気だったり、嘆きだったり。それが時代に合わせて、時代の人たちがもっとも理解できる、共感できる形で残ったものが良い曲とされるのではないでしょうか。
そんな意味で、 テーマ、言いたいことは割と普通でもいいんです。
そのテーマをいかにうまいこと時代に添わせて共感得られるように言うかの勝負。そこに、同じ時代に生きる人々にとってのリアリティもあるわけですね。
そのうまいこと言うアイデアをどこから発想するか??いろいろ考えて見ました。
例えばミスチルの”足音”という曲では、新しい靴、足音、が自分の存在証明、前に進んでいく力の象徴として描かれていたり、”GIFT”という曲では、色が人の多様性、個性、それを受け入れる愛、みたいな象徴として描かれています。
秦基博の”鱗”はうろこが自分の心にある鎧のように描かれていたり、西野カナの”トリセツ”とかは自分の取り扱い説明書として描いていてわかりやすい例ですね。
ポイントとしては、 そのモノの役割を想定して抽象化すること。
靴は歩くための道具 → 前向きに生きていくために必要なモノ。
鱗は身を守るもの → 心が傷つかないように守るモノ。
とか、 物質的なものを精神的なものに変換してく、というのもキーなのかなと思います。
まず使いたいキーワードがあって、それを何かの比喩として絡めてみんなが共感できる内容に落とし込むというのもアイデアとして面白いですね。
例えば欅坂46の”サイレントマジョリティー”というのも、一般的には政治的な意味での物言わぬ大衆みたいな意味の言葉でしたが、それを生き方の問題に置き換えているし
最近の乃木坂46の”インフルエンサー”も、主にネット上で影響力を持つ人のことですが、それを恋愛のことに置き換えています。
こういうやり方は、時代性を反映していく上でとてもわかりやすいのではないでしょうか。
BUMP OF CHICKENの”天体観測”で歌われるような宇宙、星、そういうテーマを”今というほうき星君と二人追いかけてた”みたいに、自分の今、この瞬間の生き樣と重ねるとか
“前前前世”で歌われるように、果てし無く遠い昔から今まで繋がっている思い、みたいなこととか、
そういう壮大なものを身近なものを照らし合わせるアイデアもよくありますね。
これはすなわち、どんなに時代が変わっても、変わらないものがあるという普遍的事実を改めて感じさせるという意味で歌の本質をついているテーマだと思います。
そんなところで今回はアイデアを考えてみましたが、この歌詞についてのテーマは面白いのでまた次回も掘り下げてみようと思います!