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たまにはバカみたいな大声出してみたら?

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Hiroshi Yoshida

2017-01-10

ボイトレをいろいろやってきた人が陥りがちなのが、理屈が先行して考えすぎてしまうこと。偉大な歌手が、歌っている時にああ喉を開かなきゃ、体を使わなきゃ、お腹で息しなきゃ、頭に当てなきゃ・・とか考えてると思いますか???そんなわけないですよね。むしろそういう考えから自由になるために練習していくわけですが。

現代人は何歳ごろから大声が出せなくなるのか??

赤ちゃんは生まれながらにして自然な発声を身につけているとよく言われます。確かにあんな小さな体を全身で使ってギャーギャー泣きわめくことができるんですから、あのまま大人になったらとんでもない音量が出そうなのは想像に難くないですよね。

しかし、現代人がそんな大声を出す機会もないし、むしろ日本の環境というのは騒音に敏感にならざるをえないので、どんどん声が抑制されていく方向に成長していきます。

さらには、言語を喋ることで声帯周りの筋肉は決まった使われ方しかしなくなり、使わない筋肉は動かなくなる。

そんな状態で大きな声を出そうとしても、たいがいどこかの筋肉に偏ってしまって喉を壊す、そんな結果になるのも当然かもしれません。

人を驚かすときに、”わっ”と大きな声を出しますね。怒った時にも、怒鳴りつけられると心臓がドキッとします。

実は、 歌で大きな声が効果的なのはそれと同じ理屈もあるんです。

単純に、大きな声でわーっと言われるとドキッとする。それを感動と捉えるわけですね。

それは人間の原始的な本能なのかもしれません。仲間が危険を呼びかけることだったり、そんな時に大きな声が使われたのか?どうかはしりませんが、声は大きい方がいろいろ得するんです。

声の大きさはOOの大きさ?

ただね、やっぱりどうしても日本人は小さくまとまっている人が多い。環境的に仕方のないことかもしれませんけど、大きな声がもたらすいい部分はそれだけじゃないんです。

音程、リズムなども実は、体を使ってある程度音量を出した方が安定しやすい。

小さな音で、細い息で繊細に音程を取ろうとするより、それなりの音量になった方が安定しやすいです。音量をあげようと思うと必然的に体の支えが必要になってきて、喉周りだけでなんとかしようとするより土台がしっかりしてくるんです。

同じように、リズムも体を使った方がむしろ安定してリズムに乗るということが体感的にわかりやすくなるでしょう。そうやって少しづつ歌のスケールを大きいものにして行ってみてください。

もちろん、表現としてささやくような部分があってもいい。小さい音と、大きな音の差、つまり”ダイナミクス”が大きい方が、盛り上がるところでぐっと迫ってくる、ドキッとする効果が高まるのはわかりますよね?

偉大な歌手はそういうダイナミクスの幅を使い分けるのが上手だったりします。時に耳元でささやくように、時にホール全体に響かせるように。いろんな声色、音量を使い分けて飽きないようにするわけです。

そんな境地に達するためにもぜひ、カラオケなどで試しに限界まで大きな声で歌うことをやってみてください。喉を痛めるような発声だとすぐやめないといけないでしょうが、時間をおいていろいろトライしていくと新しい世界が見えてくるはずです。

そして何より、大きな声は体力も使うけど、歌った満足感も大きい。単純に気持ちいいですよ!!いろんなストレスが解放されていくのが実感出来るでしょう。

もちろんやりすぎて喉潰すのはダメですが(特にお酒、タバコのある環境では最悪ですが)ぜひ、一回バカになってw大声で叫んでみてくださいね。