”高円寺的”な場所を超えて。

僕は大学を卒業してすぐ、野方と高円寺の間あたりの所にある家賃3万円の風呂なしアパートに住んでいたのですが、そのあたりには同じように夢を持ったアーティストの卵たちがたくさん住んでいました。

モラトリアムのような、楽園のような、居心地の良さ。

いつかは必ず卒業しなければならない街、高円寺「街に答えのない世界に飛び込んだ若者の葛藤や不安が滲み出てる。」 | ハウスコム株式会社

そんなことを振り返ったのもこちらの記事を読んだからなのですが、たまたまつい先日高円寺に飲みに行ったばかりだったので振り返ったりもしたり。

あ、どうでもいい話ですが、高円寺で友達に”俺も昔高円寺らへんに住んでたんだよねー・・野方だけど”というと、一緒にするな!と怒られますw これが高円寺民の中央線プライドなのでしょうか。

そんな中でこちらの記事、ドンピシャで自分のことのように理解できるなあと。

ぼくも又吉さんの火花をNETFLIXで見たときは自分と重なりすぎて痛かったです。

高円寺の本当に小さなカフェで弾き語りライブをしていた時に、まだ全く売れていない大学生だったころのandymoriの小山田くんと一緒だったり。

そこから巣立って行った人たちも多いのだと思いますが、やっぱり諦めてやめて行った人も多いのでしょう。

高円寺は芸を志す人間には本当に懐の深い街で、なんだかお金なんてたいして持ってなくてもそのままずっと自由に暮らせるような気さえしてきます。

 

本来目的を持って、アーティストとして成功する!と決めて高円寺で生活し始めたら、周りに同じような価値観の人たちがたくさんいてなんとなく生活も回っている。そのうちまあどうでもいいかな・・みたいになってくる・・

それでも心の底から幸せと思えるならいいかもしれません。ただ僕の当時の心境からいうととてもそんなことは思えませんでした。

いつまでこの家に住み続けるのか?まさか一生これだったらどうしよう?という不安で押しつぶされそうな時もありました。しかし現実はバイトに時間を奪われるばかりの日々。

結局僕がそこを抜け出せたのは就職するために寮に入るようになった時。半ば一旦夢を諦めたくらいの気持ちでした。

でもそれが逆に良かったんですよね。お金は普通にもらえるし、意外と残業はないし、寮だから家賃が激安だし。初めて経済的なゆとりを経験しましたw

それから音楽もうまくいくようになった。特に20代も後半になってくると、夢のようなことばかり考えていることも難しくなるし、10代のようなエネルギーも無くなってくる。

どんなに不細工で理想とかけ離れたやり方でもいい。ただやり続けろ。

僕もこのブログで何度も言っているし、この記事でもかさこさんが書いているように、一番大事なのはどんな形でもいいから”やり続ける”こと。

投資の世界でも、一番大事なのは資産をゼロにしないこと、生き残り続けることだという格言がありますが、まさにそれと同じ。

アーティストを志すような人はだいたいメンタルが繊細で傷つきやすい。ちょっとした現実の壁で心が折れやすい人が多い。

だからこそ、どんな状況になってもやめてしまうということがないような環境に身を置くのがいい。

悲しいかな、人生で一番大きく自分のメンタルに関わってくるのは、生活基盤、そしてそれを支える”お金”の問題。

その問題を完全に悟りを開いたように無視して生きれる人はいいでしょう。そういう人はすでに大物かもしれませんが。

しかしほとんどの人は、生活、仕事、お金の問題でメンタルがグラグラしながらやりたいことをなんとか実現しようと頑張るしかない状況。

自分には普通の仕事は向いてない?そんなことは僕も散々思いましたwでも生活するためにいろいろな仕事をやって来ました。どれも長くは続かなかったですが、そこで経験させてもらえたことは全部かけがえのないものだと感謝しています。

そして、いろんなところでそれぞれの仕事についている人たちを見ても、この人めちゃめちゃこの仕事に向いているな!という人ばかりではありません。結局みんな、どうにかこうにかそこに適応しようと頑張ってるだけなんです。

全てを投げ打ってアートだけに人生を捧げる人も素敵ですし、24時間そのために時間を使えたらそれは普通の趣味でやっている人よりは上達するかもしれませんが

結局アートはたくさんやったから一番評価されるというわけでもない。あくまで自分が表現したいものをどこまで突き詰めてやれたか。

それなら、自分のペースで続けながらいつかそれが実現できればいい話。よく同世代のアーティストと自分の技量を比べて絶望してしまったり(僕もするんですがw) そんなことどうだっていい。

自分には自分だけの特別なものがあるはずだし、それが実現できれば世界中の誰にだって負けないんだと信じて。

高円寺の話から飛躍してしまいましたがwどこにいても、信じてやり続ける、それだけが正解ですね!

この記事を書いた人

吉田 博
吉田 博
2004年、早稲田大学政治経済学部卒業後に歌を志す。メーカー営業マンとして働く傍ら2010年久保田利伸全国ツアーのコーラスメンバーに選出され脱サラ。楽曲提供、全国全都道府県ギター弾き語りツアーなど敢行。西野カナ"Dear Bride"、"Esperanza"、"beloved"他多数作曲(共作)、AKB48"M.T.に捧ぐ"作編曲、乃木坂46”光合成希望”作曲、XOX"ダイジョーブ"作詞作曲編曲など楽曲プロデュース。久保田利伸、嵐、堂本光一ツアーなどにコーラス参加。LIVEARTIST代表。

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