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ありのままでいい、という罠。

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Hiroshi Yoshida

2018-06-07

ありのままのあなたでいい、というメッセージをよく聞きますが、少し履き違えるとただの現状維持になってしまったりして。その捉え方が難しいですよね。

ありのままとはどういうことか??

ありのままというのはある意味、究極の悟りの姿ですよね。そのくらい、ありのままに生きるというのは難しいことだと思います。

いろいろな煩悩に振り回されて生きている我々が、ありのままでいいんだ!と開き直るのは、結果としてただの諦めにしかなってない場合も多い。

例えば、アーティストでいうなら、今のあなたのスタイルのままでいいんだよ!と今のファンは言ってくれるかもしれませんが、そこからさらに大きなステージを目指そうとしたら少し方向性を変えなければならない場合もある。

それを商業的な方向に走った!とか、冷たくなった!とか旧来のファンが言って批判するのもよくありそうな話。

でもそれって本当に難しいところだと思うんですよね。ファンからしたら、いつまでも身近で手の届く自分たちのスターでいてほしいということの現れかもしれない。

人間には現状を維持しようとする本能がありますが、その現状をありのまま、とするならそれは違う気もするし。

習慣と人間性を一緒にしない。

自分は人見知りだとか、くらいとか明るいとか。ただ今まで生きて来て、たまたまそういう風な瞬間が多かったからそういう風な人間性だと思い込んで、自分にラベルを貼ってしまっているだけのことも多い。

それは周りの環境からくる習慣のせいだったりもする。そうしているうちに、自分はそういう人間というところにはめてしまって、新しい可能性を閉ざしてしまう。

そういうことのせいで自分の可能性を閉ざしてしまったらもったいない。

しかし、その思い込みのおかげで、自分にはこの道しかない、という生き方を決めて頑張れる場合もある。

常に可能性が無限だとしたら、あらゆることに手を出したくなるかもしれないし。

そんなことをいろいろと考えてみると、ありのまま、というのはそんな迷いも抱えながら生きている今のあなた自身をまず肯定しなさい、そこから始めなさい、ということなのかなあとか思います。

あなたの頭に浮かぶアイデアはあなたにしかないもの。それに従って生きるあなたを肯定すること。

もし、何かに影響を受けて、もっとあんな風になりたいなと心のそこから思って行動を始めたなら、きっとそれもあなたにしかできない行動の始まり。

ありのまま、というのはつまり自分の人生を信じることなのかもしれませんね。