ものづくり地獄へようこそ。


星野源さんの”蘇える変態”という本を読んでいて、”ものづくり地獄”という作っても作っても満足できないループに陥る様が描かれていて共感したのですが、一線で活躍している人たちを少なからず見てきて思うのは、みんなこんな風に苦しい思いをしてやっと何かを生み出しているんだなあということ。でもやっぱり気づいたら同じとこに戻ってきてるんですよねえ。

試行錯誤のループはやっぱり必要なのか?

蘇える変態
何も考えずにぽかんとしていたらいいアイデアが降ってくる・・そんなことが毎日起こってくれれば夢のようですがw

僕はそれをちょっと信じていて、考えず、ただ心の赴くままにやり続ける、みたいな境地に達することができたら、良いものがたくさんできるんじゃないか?という(希望も含んでますがw)ような仮説も持っています。

考える、悩む、というのはある意味エゴの戦いのようなもので、そこを乗り越えるとぱっと答えが見える。その戦いを終わらす方法が、考えすぎて疲れて考えられなくなり、その瞬間に大切なものが見えるということなのだとしたら、なくもない話かなあとか。

実際これいいじゃん!ってなるものって、なんかポロっと出てきたり、ただの勢いだったり。考え抜いてこねくり回しているうちはだいたいダメなんですよね・・それも無駄ではないと思いますが。

考えない創作のプロセスとはいっても、普段から興味を持ってアンテナを張っている情報から何かを知らない間に得ていたり、考えとしてストックされていたりするので、生きてる限り一概に何も考えてない、ということは言えないんですよね。

つまり、何かを生み出そうと思ってその場でうんうん唸ってもいい結果にならないことが多いけど、そのことについて普段から興味を持っていれば、知らない間に情報を収集し続けていて、そのうち脳の中でいろんな情報が消化、整理されて、ふっと何かが浮かぶ。

そんなパターンが多い気がします。この古典的な本で語られてるのもそんな感じのことですよね。

アイデアのつくり方/ジェームス W.ヤング

もちろんその過程で、あれがああなってこうなったらいいんじゃないかと考えたり、実際に音を出してみてこうじゃないああじゃないとやることもあるわけですが・・

それを急ピッチでがーーっとやっても報われないことも多い気がします。やっぱり追い込まれてると雑念が多すぎて集中できないんでしょうかね。そんな状況でも集中できるようになればいいのかもしれませんが。

とまあ、そんなことを簡単に言ってはみるものの、実際星野源さんの本に描かれている追い込まれっぷりというのは壮絶なもので、やっぱり抱えているものが大きいスターほどそのプレッシャーは大きいんだろうなあと思います。

聞きすぎてわからなくなるパターンは多いから、適度に客観的意見も取り入れつつ。

例えば歌のレコーディングに限って言うなら、そもそも最初は自分の声が気に入らないという人が多いので、自分の歌についてはなおさら厳しく見てしまう人が多いです。

でもそうなると細かいところが気になりすぎて、永遠にOK出せないんですよね。わかります。僕も最初はそうでしたw

しかし、そこで気にしている細かいところってそう簡単によくなるものでもない。その場で何百回やり直しても治らないような、根本的な技術の問題だったりすることがほとんどなので、

とりあえずその場ではそれが実力だと思って諦める気持ちも必要。そういう意味でもレコーディングってとても勉強になります。

あとは以外と、他の人が聞いているとそこまで細かいところは気にならないということはわかっておいたほうがいいですね。自分は自分のことが異常に気になるけど、他の人からしたら割とどうでもいい・・あらゆるところに通じる真実ですw

最後にこの星野源さんの本で共感した部分。

自分が面白いと思ったことを満足するまで探りながら、できるだけたくさんの人に聞いてもらえるように努力する。

それだけがこのものづくり地獄で生きる道だみたいなことを言っていて、とても共感しました。

ともすればものづくり地獄から抜け出すために、一部の人にわかってもらえればいいとか、逆にとりあえずわかりやすいものをつくっておけばいい、という考えに流れがちになりますが

そのどちらにも逃げることなく、自分もみんなも納得するものを作ろうとする姿勢。そんな究極の理想を実現できるなら、その地獄でもがく意味もあろうというもの。

自分もJ-POP寄りの現場にいるとどうもわかりやすいものに流れがちな傾向はあるのですが、結局そういうものは陳腐で誰にも刺さらないものになる危険性も大きい。

かと言って何かアンダーグラウンドで流行っているようなものをちょっとつまんで持ってきて新しいモノぶるのもだいぶニセモノ感強い。

はて、今、この時代に、自分にできることはなんだろう?自分の好きなもの、影響を受けたものをてんこ盛りにする?それはそれで違うのか?いやでも結局そんなものしかできないのか俺?

そんな思いが常にぐるんぐるん巡りながら、それでも結局何か手を動かして形にしていくしかない。プロもアマもなく、みんなそうなんですよね。

そうやって、何も考えず(考えられず)形にしたものの中に、すべての答えが詰まっていた!と思える日が来ることを願って。

さあ今日も、ものづくり地獄で会いましょう!!w

この記事を書いた人

吉田 博
吉田 博
2004年、早稲田大学政治経済学部卒業後に歌を志す。メーカー営業マンとして働く傍ら2010年久保田利伸全国ツアーのコーラスメンバーに選出され脱サラ。楽曲提供、全国全都道府県ギター弾き語りツアーなど敢行。西野カナ"Dear Bride"、"Esperanza"、"beloved"他多数作曲(共作)、AKB48"M.T.に捧ぐ"作編曲、乃木坂46”光合成希望”作曲、XOX"ダイジョーブ"作詞作曲編曲など楽曲プロデュース。久保田利伸、嵐、堂本光一ツアーなどにコーラス参加。
 
LIVEARTIST代表。
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