Hiroshi Yoshida
2016-03-20
ライブや発表会を見に来て欲しいけど、最初は来てくれても、2度目、3度目は厳しい・・
ライブや発表会を見に来て欲しいけど、最初は来てくれても、2度目、3度目は厳しい・・
集客というのは、ライブに限らず世の中のどんな商売の人でも一番苦労するところであって、お金を払ってわざわざ足を運んでくださるというのは相当なモチベーションがないと難しいことです。
一回目なら、どんなことやってるんだろう?見てみようかな、応援してあげようかな、という気持ちで行くでしょうが、一度見てよほど好きにならない限り、また来てくれるというのは稀です。
だからといって、落ち込んだりすることはありません。数回のライブ経験でどんどん人が増えて行くなんて相当稀なケースだと思います。客席がガラガラ・・そういう挫折を味わってから、本気でどうやったらお客さんが来てくれるだろう?と考えていくからよくなっていくし、誰しもそういう意識をすればファンをつけていくことはできます。
当たり前のことですが、本当にエンターテインメントの世界で生きていこうと思うなら、このことを常に念頭においてやり続けるしかありません。手っ取り早く目立てる方法を探してみたとしても、そんなことは誰にでも真似できてしまいますので、すぐにあなたより上手くやる人が出てくるでしょう。人に特別に思ってもらうためには、何かしら他にない魅力が必要です。
人は最後には必ず希望のあるところに集まります。生き延びたいという本能を持って生まれる人間は、いろいろ悩み苦しみながらも、最後は希望をもって生きようとするものです。だからこそみんな生きているわけです。
心の中を誠実な気持ちで吐き出す、それが感情の表現につながる、だからネガティブな面もそのまま出す。それは間違いではありません。しかし、あなたは一生その状態に浸っていたいですか??そして、聞いている人もずっとそこにいたいと願っていると思いますか?
こういう話をするのは、うまくいかないでもがいていた時代の自分自身がずっとそうだったからです。 現実を否定し、ダメな自分を責め、救いのない叫びの感情を歌にすれば共感を得れる。でも、そこから先に一体なにがあるのか??
やっぱりそういう意味でも、よりたくさんの人に共感を得ようと思ったら最後には希望を歌うべきなのです。アーティストは、いろんなことがあっても生きていけばこんなに素晴らしいことがある、ということを全力で示すことこそが大きな役割だと思うし、そこに多くの人が本能的に共感して、よし、また頑張ろうという気持ちになる。
だから、最後にはなんらかの希望を持って終わりたい。もちろんあからさまなハッピーハッピーな感じばかりじゃなくていいんですよ。でも確かに生きる力になるような何かを残せるもの、希望があるところに人は集まります。
要は、 なんだかネガティブな感じに見えないように自分とじっくり向き合って、すべてを見なおしてみてください。
これも本能レベルの話だと思うのですが、
人は生きる力の強い人に魅かれます。
それは健康そうに見えるということだったり、力のある目つきだったり、喋り方だったり、ジャンルによっては暴力的に見えることが魅力になる人もいますね。あとは、少し捉え方を変えると、賢い、頭がいい、ということも、知恵をしぼる力が強い、という意味で十分な魅力になる気がします。
これらは、長いこと生きてきて習慣的に積み重なるもの。 でも、自分が本気で意識を変えて、なんらかの努力をし続けていれば、自然に湧き出てくるものだったりもします。だからこそ、その基本的な日々の積み重ねがなければ、その場でどうつくろっても魅力的には見えないんですね。
総合すると、これらはすべて ”生き抜く力の強さ=魅力”ではないかと思うのです。人それぞれの個性があっていいし、方向性のベクトルは違っていいのですが、なんらかの 生き抜く力の表明、運命を切り開く力、それこそがアートではないかと僕は思っています。
さて、こういった基本を踏まえた上で考えたいことをいくつか。
いい歌でいい曲だったとしても、同じようなバラードがずっと続いたり、似たような調子で続いたりすると数分で飽きてしまうものです。これが大していい歌でなかったらなおさらつまらないものになります。
よほどあなたの歌に自信があるとしても、聞かせる系をずっと続けるよりは、盛り上げる系の曲の割合が多い方が、僕の経験上からもファンを巻き込みやすいような気がしています。
これは上に書いた、 人はエネルギーがあるところに集まる、という原則にそってるわけです 。
例えば服屋さん等でも、ノリのいい曲をかけていた方が、ノリで買ってしまうというような効果が生まれたりするように、最初はとにかくのせて巻き込んで、ここぞというところのバラードで泣かす、みたいな流れの方が絶対に効果的にお客さんに届きます。
ある程度の王道的なライブの流れみたいなのは確かにあるので、尊敬するアーティストのライブを見て真似して構成をつくり、きちんと練習して臨めば、絶対にお客さんを巻き込んでいけますよ。
グズグズがキャラクターであったら好感持たれていいのですが、本当に何も考えてないグズグズで、笑えもしないようなMCなら、事前に何か考えてきたことだけ喋るとか、いっそのことMCがないとかの方がいいと思います。
なんでもいいからとりあえず一回笑ってもらう。それでライブの空気はだいぶ和んで、より共感しながら曲を聴いてもらえる。
これは僕がたくさんライブを重ねてきてようやく気付いた大きなポイントです。プロのライブでも、MCで一切笑いも起こらないというのは逆に珍しいと思います。かっこいい系のスタイルで売っているようなアーティストでも、ちょっと笑いが入るというのはよくありますよね。
人はエネルギーがあるところに集まる、という原則から考えても、ボソボソ、ダラダラ、ゆるーく、ふわふわ、自信なさげにしゃべるというのは少しもったいないです。
とにかくMCでイヤな感じに見えないように気をつけてください。(そう見えてしまう人は自分でそれに気がつかないからたちが悪いのですが・・)決して暗いネガティブな感じで終わらないように気をつけましょう。
スベることを恐れて適当なことをしゃべるくらいなら、思い切って笑いを取りに行ってダダすべりする方が、絶対に印象にはのこりますw
当たり前のことですが、適当にやったものより力を注いで細部までこだわってこだわり抜いたものというのは絶対に見ている人に伝わります。
どれだけ努力してきたか?というのが伝わるというのは、人類不変の魅力だと思うんです。それほどの思いをもってこのライブを良いものにしたいと思って準備してきたのか!ということが伝われば、それだけで感動するでしょう。
一生懸命さ、ひたむきさ、思いの強さというのは、どれだけ大物になっても大切にしたいし、ファンの信頼を得るためには忘れたくない気持ちですね。それはつまり、エネルギーがそれだけ注がれて居る、ということではないでしょうか。
良い曲、良いパフォーマンスというのも、もっともっと上があるはず。それなりに評判の良い曲ができても、もっともっとと試行錯誤していく姿勢がどこまでも大切ですね。
これが当たり前にできない人が圧倒的に多いのです。僕もずっとそうだったので気持ちは痛いほどわかります。なんだか恥ずかしいとか、たくさん告知したらうざいかなとか、繊細なアーティストほど気になりますよね。そんな人はこちらの記事も参考に。
あなたのライブをみんなが常に持ってくれている状態ならいいのですが、ほとんどの場合そうではありません。
単純にみんなは自分のライブのことを知らない、もしくは忘れているから来てくれないのです。
告知は早ければ早い方がいいです。大規模なワンマンなら半年前、通常でも3ヶ月前くらいから始めて、毎週のようにいろんな方法で、決して不愉快と思われない程度に告知していけば、その広告効果は直前にバタバタ告知するより何倍も効果的になります。
世間では一ヶ月前くらいじゃないとスケジュールを動かせない人も多いですので。
かといって、毎週メールを送り続けるとか、そういう方法だとさすがになんだか気が引けますよね?
僕がやって成功したのは、ワンマンを決めてから毎日なんらかのブログやツイッターの更新をして、そのネタもライブ以外の、みんなが興味を持って見れそうな音楽ネタをアップし、その一番最後にライブの告知を乗せ続けるという方法でした。あくまでみんなの興味を惹いて、自主的に見てもらうという告知の方法ならだれも嫌がりません。
プロモーションはできればプロに任せたい、自分は音楽だけやりたいと思う人も多いでしょうが、 100人キャパくらいまでで、まだ規模が小さいうちは、ちょっとした努力で自力でも十分集客できます。少なくても強力にサポートしてくれるファンの人たちを、絶対に大切にしてください。その人たちの力を基盤にしていけばずっとライブを続けていけるので、自然と力もついていきますよ。
ライブはやっぱり人がたくさん見に来てくれた方が気合いも入るし、盛り上がるし、やりがいあるものになります。そのために徹底した準備をして臨みたいですね。
日本人は特に、世界的なアーティストの傾向と違って、”共感”を重んじる傾向がある、というようなことを他にもたくさん書いていますが
その傾向を掘り下げてみると、やっぱり日本人は圧倒的に突き抜けて手の届かない完璧なスターより、どこか親しみが持てて応援したくなるヒーローを求めている、という傾向がある気がします。それは日本人の”和をもって尊しとする”文化のせいでしょうか?
そこで最近特に思うのは、"応援されるキャラ"の大切さです。あまりに完璧すぎたり、自分の応援なんて必要ないと思えたりする人より、そういう人の方が売れている気がしませんか?しかし、物事を完璧に完成度高く、うまくやろうとすればするほど、そういう応援されるキャラから遠ざかっていくのです。
だから特に、スキルや見た目に自信がある人ほどそういうところに気をつけた方がいいと思います。丸裸で、自分の素の部分をさらけ出すこととか、弱いところも隠さない部分、謙虚さ、そういう意識は共感を産みやすいのではないでしょうか。