アナログ、それはこの世界とのつながり。


最近またカセットテープが密かなブームになっているようですが、僕もカセットテープで育った世代なので、とても興味があるし、アナログ、デジタルについては昔から思うところがあったので、個人的な思い入れだけで語ってみたいと思います。

デジタルは断続的な情報の集まり。アナログは無限の痕跡。

デジタルとアナログの違いについて把握している人はどれだけいるでしょうか?もう今の若い世代の子達はむしろアナログってなに?っていうレベルなのかもしれませんが。

音楽に限って言うなら、デジタルの記録メディアはCDがお馴染みですかね。とても乱暴に説明するなら音の波形の触れ幅を6万5536通り(16bit)にレベル分けして1秒間に44100回記録したのがCDの規格です。

それに対してアナログは、波形をそのままなぞるように物理的にメディアに記録していく方法。音の電気信号を磁気で直接テープやレコードの原盤のラッカー盤に記録して複製するわけです。

インターネットに載っている音楽も映像も全部デジタル。コンピューターではデジタルな情報しか扱えないので、必然的にそうなりますね。逆に言えば、デジタル技術のおかげで今もこうしてブログを見ていただくことができております。感謝です。

しかし現実世界っていうのは、すべてアナログなわけです。

もちろん、デジタルでも十分に記憶を再現することはできます。でも、仕組みからしてどうしても、データとして捉えきれなかった部分、ビットの0と1の間で切り捨てられてしまった部分がたくさん出てしまう。

これはどこまでデジタル技術が進歩しても同じ。いくら人間に認識できる周波数やダイナミックレンジがどうのとか言っても、

人間の認識能力の可能性も無限ですから。それを信じることこそアートだと僕は思います。

・・とかいいつつ僕も、現実的な利便性の面で完全にデジタルに染められてますがw

というわけで、結局僕も含めて、デジタルに流れるのって利便性だと思うんですよね。その便利さに慣れてしまったらもう面倒くさいことには戻れない。

そんなに圧倒的な違いもないんだし、デジタルでいいじゃない?という人が増えるのも当然です。

アナログはダイレクトにつながっているという感覚がある。

ここからはミュージシャンとしての単なる感覚の話。科学的でも論理的でもなんでもない個人の見解ですw

僕は昔アナログでDJをやっていて、デジタルとアナログの違いについていろいろ考える機会があったんですが、その時から思っていたのは、アナログの音はちゃんとそこから出てる感じがする、っていうこと

これってプレイヤーとしてはとっても大切な感覚なんですよね。何か紙一枚隔てたものを操作しているのか、直接それに触れて操作しているのか、くらいの違い。

今だったらレコードを使ってScrach LiveでPCDJやるのと、アナログで音だすの違うでしょ?っていうので例えたらわかりやすいかもしれないですね。

そんなこと感じないよってひとにとってはどうでもいい話なんでしょうが、アナログでよく言われる、パンチがある、音圧がある、ダイナミクスが大きい、なんてのも、究極そこからきてるような気がするんですよね。

それって結局、現実世界の物質(レコード盤)に触れているその触覚みたいなものが音として体に伝わって来るからなのかなあなんて想像したりします。

こんな時代だからこそ、つながり、ふれあい、そんな面倒くさいことが重要さを増すかも?

最近ではVRとか、デジタル技術で視覚聴覚を刺激して臨場感を得るみたいな方向にどんどん世の中が進みつつありますが

もちろんその方向性もあっていいし、そこから面白いものも出てくるでしょう。

でもなんか僕はそういう方向は、視覚、聴覚、ひいては脳の知覚に偏重しすぎじゃないかと思ったりします。

肉体感覚、皮膚感覚みたいな部分って、きっと人間のもっと大切な根本を担っていて、そこはやっぱりデジタルでは補いきれないのかもしれない。だからこそ、心と体のバランスを壊してしまう現代人が増えているのかもとか考えたり。

アナログ信者ではないし、懐古主義としてアナログがいいと言っているわけではないつもりなんだけど、アナログってのはつまりつながりだと思うんですよね。情報ではない、この世界との実際のつながり、連続性、その痕跡。

音楽の本質を考える上でも、これってとても大切なことが含まれているような気がしてなりません。

やっぱり音楽って原初のつながりを思い出させてくれるものだよね。

とまあ、壮大な思いを巡らせてきたのですが、音楽っていうコミュニケーションは、言語も超えて、今、この時、この瞬間をいろんな人と共有している、つながっている、そんな感覚を思い出させてくれるものだから素晴らしいんだろうなとここまで書いてきて改めて思いました。

 

デジタルだからダメってことはないし、僕らはこのデジタル全盛の世界でもより深いコミュニケーションが取れるようにいろんなことを模索していくべきだと思いますが

そんな中で、アナログの素晴らしさにも最注目されていくことになるでしょう。どちらもバランスをとりながら、より良い未来を作っていけたらいいなと思います。

この記事を書いた人

吉田 博
吉田 博
2004年、早稲田大学政治経済学部卒業後に歌を志す。メーカー営業マンとして働く傍ら2010年久保田利伸全国ツアーのコーラスメンバーに選出され脱サラ。楽曲提供、全国全都道府県ギター弾き語りツアーなど敢行。西野カナ"Dear Bride"、"Esperanza"、"beloved"他多数作曲(共作)、AKB48"M.T.に捧ぐ"作編曲、乃木坂46”光合成希望”作曲、XOX"ダイジョーブ"作詞作曲編曲など楽曲プロデュース。久保田利伸、嵐、堂本光一ツアーなどにコーラス参加。LIVEARTIST代表。

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